第2話
火曜日
例の殺人事件の続報が入ってきた。
殺された人の行動を調べて見たところ、昼間は大学生が学校、社会人が仕事で留守にしており、一番早く帰ってきた大学生が帰宅したのが午後六時ごろであり、最後に帰宅したのは三十代のサラリーマンで、午後九時ごろだそうだ。
近所の人が目撃している。三十代のサラリーマンが帰ってくる頃までに、途中買い物などに出かけた人はいるようだが、九時には住人全員が部屋の中にいたと警察は見ている。
そして住人の一人を友人が訪ねたのが午後九時半ごろで、その時住民の死体が発見された。
警察が駆けつけて調べているうちの、マンションの住人が全員殺されていることが判明したのだそうだ。
その他に、検死の結果などとも照らし合わせて見て、十五人はそろって午後九時から九時半の間の、三十分足らずの短い時間に殺されていたことがわかった。
死因は全て撲殺。
一人残らず殴り殺されていたのだ。
つまり犯人は、たかだか三十分ほどの時間で、十五人もの人間を一人も逃すことなく殴り殺したことになる。
「とんでもない奴だな」
俺の独り言に美里がのってきた。
「あいつだからよ。普通の人間には出来ないわ」
「だからあいつって、なんなんだよ」
「知らないわ。でもあいつよ。間違いないわ」
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