03:株の動き 3日目

 やほぉー株だよん。


 前回のあらすじ。俺は、無事肉体を手に入れたらしいぜ、まったく。ほんとかよ?いや、ほんとだってば(自問自答)。



 そんなわけで、この世へと戻ってきた訳なのだが……。まずは肉体の確認といこう。

 真っ白い透き通るような肌。その華奢な体は、ボロボロな服の形をした布の切れ端を身にまとっている。そして、視点の低さ……どうやら子供のようだ。なんと…………。


 まあ今までの肉体に特にこだわりとかないしなぁー。別にいっかな、これでも。欲を言うと、イタリアの人間が良かったが。(あれ、言ってなかっただろうか?俺はイタリアが大好きなのだ。イタリアはな、イタリアはなぁ、マンホールの蓋の聖地なんだぜっ!?あの有名な「真実の口」、元はマンホールだったのさ!!燃えるだろ?{※諸説あり})まあなってしまったものはしゃあない。というか、無事に肉体を得られたことに絶大な感謝をしてもいいくらいだぜ。

 少し熱くなってしまった、反省反省。

 ――あれ?

 

 ここ、どこだよorz


 まあいいか(現実逃避)。そんなこと考えたって仕方ない((仕方なくない))。

 と、とりま今後の目標を立てようぜ(o^-')b !

 目標①為替と再会する。

 目標②①の達成のために日本に帰る。

 目標③そのために、状況把握および安全な寝床と食料の確保。

こんなとこかな。肉体に関してはもう諦め……。

 !?

 やべ、この肉体じゃ、為替が俺が株だってことに気づかんじゃないかあああ!!!

 おのれぇあのやろぅ…おぼえてろよ……!!

 ……と、盛り上がってしまったものの、あいつ(ソーバ)のおかげでこっちに帰ってこれたわけだし…。さすがにそこまで言うのは申し訳ない(-∀-`; )。ま、とりあえずすることがあるわけでもないし、日本目指すか。

 !?!?

 フロッピーディスク……っ!!

 延滞料金。・゜゜(ノД`)


 よし、思い出さなかったことにしよう。


 ……そんじゃあいっちょやりますか!!


**********


 最初の関門。まず、場所はわりとすぐにわかった。どこかの国のスラム街だ。←わかってない。

 まず、人がいない。ほぼほぼ廃墟なんだよ。いや、いることはいるんだが、みんなひっこんじまってて。まるで街全体が引きこもってるみたいだ。

 と、いうか。

 腹が減る。急激な空腹感が特に意味もなく株を襲う!

 ったく、なんてとこにスポーンしちまったんだ俺は。せめてハワイとかにしとけよぉ。


 そうぐちぐちと愚痴をこぼしながら道を歩いていると。

 突然、目の前に巨大な壁が立ちはだかった。俺は、凄まじい勢いでそれにぶつかってしまった。むっちゃいてぇ。痛み感じんのかよ、精神生命体は。

 あ、間違えた。壁じゃないわ、これ。

 人でもないわ、これ。

 地面だわ。



***********



 今俺がなにしてるかって?なにもしてないんですよ、ええ。どうやら肉体が限界のようなのですよ、うん。いやーまさか折角の肉体がこうもすぐに倒れてしまうとは……。頑張ってくれよぉ、俺のからだあ!!

 ……動かないんだ、まったく。いや、意識はめちゃくちゃはっきりしてるんだよ?

 どうやら、まだ始まったばかりの株の大冒険は、音速を越えるスピードで下落してしまったようだぜ。

 詰みを覚悟したそのときだった。

 どうやら、まだ神(ソーバさんだろうか)は俺を見捨てなかったらしい。


「Ты в порядке? Мальчик.(訳:大丈夫かい?少年よ)」

(※株は、この言語を知らないようです)



 ……神の声を聞いたかと思ったんだ。

 よく考えたらつい最近に神の声聞いたばかりなんだけどな(笑)


 ゆっくりと目を開ける。体は相変わらず動かないけれど、あの固い道路の上に横たわっているわけではないことはわかった。

急に目を通して大量の視覚情報が流れ込んでくる。

 目の前には、俺と同じようにボロボロの服の形をした布切れを身にまとった、この世で最も優しそうな老人がいた。

 事実、俺はyes・キリトリ(訳:イエス・キリスト)の生まれ変わりなんじゃないかなって思ったくらいだ。

 おじいさんがまた俺になにかを言った。

「Пожалуйста, продолжайте спать. (訳:まだ寝てなさい)」


だめだ、何言ってるか全然わからん。

 なんか精神生命体特有の能力とかないのかな。例えば自動翻訳機能とか……。

 ……ん?能力??

 今なんか閃いた気がしたけれど、どうやら気のせいだったらしい。

 さて、どうしたもんかねぇ。


****************


 どうやら、また寝てしまっていたようだ。

 目を開けて、体を起こす。

 お、動いた。なんやねん、心配させやがって畜生。

 どうやら、廃墟の中の御座(わらで編んだ安っぽい敷物のこと)の上に寝転がっているようだよ、俺は。

 ゆっくりと首を右に回す。ひび割れた壁だ。

 ゆっくりと首を左に回す。八畳くらいのなにもない部屋。窓ガラスがあるべき場所には、ガラスが残っていない。そして。

 例の老人がすぐそこの椅子に腰かけていた。

 例の老人と目が合う。

「た、助けていただき、まこと感謝の限りありがとうございました!!」

なんだかよくわからん日本語でとりあえず反射的に頭を下げた。おお、この体、日本語しゃべれたよ。


「……とうぜんのことをしたまでだよ」


……ええーっと。


もちろん今のは俺のセリフではないわけで。

「え、え…………?」

俺が戸惑っていると、彼はさらにこう抜かした。

「きみ、******だよね?」

え、なんつった今。聞き取れんのだが。


 次の瞬間、俺は驚愕した。



「きみ、せいしんせいめいたいだよね?」



――!?

な、なんですとぉ……。




to be continue.....

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