第21話「むかしのむかし」

 いつからだろう、僕がここに居るのは……。もうそれも分からないぐらいこの場所にいる。意味なんてないんだ、ただここに在るのが当たり前な存在、それが僕なのだから。




 ある日、見たことも無い生き物が目の前に現れた。森の獣達とは違う、か弱き生き物。非力で脆弱なこの生き物が、屈強な獣達が蔓延るこの森で生きていける筈もなく、程なくして森の糧となった。

 あらゆる生き物がこの連鎖の中で生きていき、そして死ぬ……何万回と見てきた光景だ。弱いものから死に強いものの魂の一部となる。その魂はやがて森に返され、豊かに育つ森の恵みで弱い生き物は生きていく。


 この世界ができてからずっと行われてきた光景だ。


 それから幾度となくその非力な生き物はこの森にやってきた。何度も同じ光景の中、小さな変化が起きた。ただ糧となるだけだった生き物は、その運命に逆らうべく行動したのだ。

 徒党を組み武器を作り、今まで負けてきた獣に勝つようになった。そして住居を建て森で得た糧で子孫を残す。そして強者や自然の力によって壊滅し森に還る。いつしか連鎖の中に入ってきた。

 壊滅してもわずかに生き残ったものがまた始めからやり直し、何度も何度も失敗を繰り返し、いつしか小さな集落が出来上がった。


 それが人間という生き物に出会った最初だった。


 正直、僕はそんなものに興味はなかったのだが、あまりにも長い年月この生き物を見てきた為、暇つぶしがてら観察をしてみた。そこで気づいたのは、この生き物は成功も失敗も次の世代に引き継ぎ、知識を共有している。

 獣にもそういった事をするものはいたが、この生き物は獣とは違い自分達より弱き者にも分け隔てなく共有していった。


 そうして森で1番非力な生き物は、ここでも生きていける術を身に着けたのだ。


 僕は初めて思った、なんて美しい生き物なのだろうと。獣には獣の気高さがあったが、この生き物は気高さと慈愛に満ち溢れていた。この者たちがいれば森も豊かになり素晴らしいものになるかもしれない。だから僕はこの生き物に森の加護を与えた。

 僕からすれば瞬く間になくなる命を、ほんの少しだけ延ばし森の力を与えた。動ける時間が増えればもっともっと豊かな森になると思ったから。


 僕の加護を受けた人間はより森の声が聞けるように、長く美しい耳が生えた。


 それからは僕が存在した中で最も素晴らしい時が流れた。加護を受けたといっても僕からしたら短く儚い命だ。だが、それももとても美しく思えたし、この生き物が好きになった。僕はこの光景を見る為にここに存在していたのかもしれない。


 だがその光景も長くは続かなかった……。


 助け合い穏やかで慈愛に満ちた生き物は、僕の加護を受けた事により自分達は特別な存在と思い始めた。なぜ自分達の様な特別な存在が、こんな森の中の小さな集落で暮らさなければいけないのか。もっと自分達に見合った暮らしがあるはずだと……。


 獣の生きる為の純粋な欲とは違う、醜い欲を吐き出しながらその生き物は他者を従えようとした。生きる為ではなく欲を満たす為だけの暴力を振るった。美しかった森には血が飛び散り、断末魔が響いた。


 僕はそんな事をする為に加護を与えたわけではない。必死に説得を試みたがその生き物は聞き入れなかった。それどころか止める僕を疎み、祠の中に封印した。荒れた森のせいで僕の力はかなり落ちていたのだ。


 僕は激高した。何という生き物だ……そんな醜い生き物など滅んでしまえと叫んだ。


 すると、僕の願いを天が受け入れたのか大災害が起きた。森の半分が無くなり、今まで見たこともない邪悪な生き物がはびこり、色んな生き物の命を奪っていった。そこには豊かな森も美しい生き物もなにもかもいなくなった。森は死に僕は動くことすらできなくなっていた……僕の怒りは僕自身を滅ぼしたのだ。


 それから長い年月をかけ森は再生していった。ようやく僕も少しは動ける様になっていた。憎らしい事に災害でも僕の封印は解けなかった。


 程なくして出ていった筈の醜い生き物が戻ってきた。前よりも数が減り、満身創痍の姿だった。信じられない事にその生き物は僕に助けを求めた。このままでは滅んでしまうからと……。頭を垂れ助けを乞う姿は何とも醜く、そしてひどい虚無感を僕に与えた。


 今思えばあの時、助けを乞うてきた生き物は、僕を封印した時にいた者ではなかったのだろう。それでもあの忌々しい長耳を見ると僕は冷静な判断ができなかった。


 あぁ、なんて醜い生き物なのだろう……あの美しい生き物はもう本当にここにはいないのだ。


 醜くなった原因は僕にもある……だから僕は願いを聞き入れた。傷ついたものを癒やし森も住める様に元に戻した。喜び礼を言う生き物に僕は1つ約束をした。


 これから先、何が起こっても助かる様にその術を授けると。ただし、その術を受け取れるのは僕が認めたものだけだと。


 僕は最後の力を使い祠の下に様々な試練を置いた地下室を築いた。以前の様な美しい生き物だけが進める試練を……。


 ここを進めない醜い生き物は滅んでしまえばいい。もう二度とそんなものは見たくないのだから……。


 僕はそう思いながら地下深くで眠っていった。



 またいつかあの素晴らしい光景が見れることを心のどこかで願って……。



 ********************



「ねぇ、聞いてる? シルフィード、次の試練はまだなの?」


 ふと昔を思い出していたシルフィードはボタンの声で我に返った。


 ―あぁ、ごめんごめん。えっと次の試練だっけ? そうだな……もうすぐかな―


 ここに人が入るのは何度目だろう。前に来た者達は結局、絶望に怯え私欲に走る醜い生き物のままだった。なのにこの生き物達はそれをすんなり通り、しかも自分とは違う種族の為にここに来たという。


 ついに……という期待と結局という諦めの中シルフィードはミナセ達を眺めていた。期待はあったが、その耳が長くない事が少し残念だった。


 ―ねぇ、試練に合格しないと死ぬかもしれないって事は分かってる? 最初の試練さ、あのマグマはよくできた幻影なんだけど、視覚情報って侮れなくてさ。例え偽物でもマグマに落ちたりすると、ショック死したりありもしない熱で焼かれた様に死んだりするんだ。まぁあれぐらいで諦めてやめるような奴は、神水を貰う資格がないって事なんだ……。どれぐらいの覚悟できてるか試してるんだけど、結構あそこで死んだり諦めたりする人多くてさ。とにかく命を賭けないと、この試練は進めないわけ。で、質問なんだけどそこまでして知り合ったばっかりのエルフを助けたいわけ?―


 シルフィードの質問に猫達はミナセを見つめた。ここに来たのも主人の願いだからであって、猫達自身にはエルフを助けたいという気持ちはなかった。多少、揺れ動く気持ちもないわけではないが、ミナセが助けないと決めたらあっさりその気持もなくなる程度のものだった。


「助けたいよ。目の前で困ってる人がいたら助けたいと思うのは普通の事じゃないかな?」


 ―ふーん、普通か、立派だねぇ……あっ、次の試練の場所についたよ。さぁ入って入って―


 ミナセの決意を聞くとシルフィードは次の試練の場所へ案内した。先ほどと同じような四角い部屋で、ただ違ったのは白ではなく黒い部屋だった。黒く暗いはずなのになぜか隅々まで見渡せる不思議な部屋だった。奥に十字架が何個も掲げられているのが、宗教的な怖さをだしていた。


 ―ここが最後の試練だよ。じゃあ始めようか―


 どことなく声の感じが平坦なものに聞こえたが、そんな疑問も目の前の光景を見た瞬間吹き飛んだ。つい先程までミナセの前にいた猫達が、いつの間にか奥の壁にある十字架に磔にされ、その喉元には宙に浮く剣が突きつけられていた。


「――っな、なんだ!」


 瞬きをした間にいつの間にか猫達がピンチになっていた。理解はできなかったが急いで猫達の元に行こうと走り出した。

 だが、ミナセは見えない壁に行く手を阻まれてしまった。上も横もどうやら壁があるようで、ミナセは四方1メートルの透明な壁に閉じ込められている様だった。


「シルフィード!! どういう事だっ。また幻影でも見せているのか!?」


 ―残念。これは現実だよ……まぁ信じても信じなくてもどっちでもいいけど、どうする? とりあえずあの剣をそのままあの子達の喉に刺してみようか?―


 第2の試練の事もあり夢かもしれないと思ったが、たとえ夢でも猫達が傷つく姿など見たくなかった。


「やめろっ……。これはなんの試練だ? どうすれば合格できるんだ?」


 ―それはね……あの子達を見殺しにすれば合格だよっ。神水欲しいんでしょ、命を賭けてまでエルフを助けたいんでしょ。だったら黙って死ぬの見ててよ、あの子達の命と引き換えに神水あげるから。たった4人の命で大勢のエルフが助かるんだよ。大丈夫、苦しまずに一撃で息の根を止めてあげる―


 シルフィードの言ってる意味が分からない……。あいつらが死ねば合格? 何を言ってるんだ……?


 ―エルフの人達助けたいって言ってたじゃん。困ってる人がいたら助けるのは当たり前って言ってたじゃん。助けたいならそこにいなよ。それが出来ないって言うなら神水はあげないし、エルフの人達も死ぬ―


 ミナセは言葉が出せなかった。日本にいた頃、友達と似たような話しで片方を選び盛り上がった事があるが、いざ現実に突きつけられたらそんな簡単に答えが出なかった。


「ダメだっ。そいつらが死ぬ事なんてありえない……」


 ―じゃあエルフは助からないね。結局、白猫さんも口だけの偽善者だね―


「……それもダメだ。俺は、俺は両方助けたい……」


 強く握りしめたミナセの手から血が流れた。ここで迷うなんて偽善者と言われても仕方がないのは分かっているのだが、とても選べるものではなかった。普通に考えればずっと一緒にいた家族を見捨てて、ついさっき出会ったエルフを助けるなんて間違っているのかもしれない。


 だからと言ってエルフを見捨てるなんて。


「ご主人……どうやらこれは自力で脱出できそうにありません。足手まといになってすみません……ご主人の好きなように選んで下さい。それで私達が死のうとも構いません。一度、救ってもらった命です。二度もなんてワガママは言いませんから、だからそんな辛そうな顔をしないで下さい。ご主人にそんな顔をさせるぐらいなら私達は……」


 コアの言葉に同意する様に、他の猫達はゆっくりと目を瞑った。


 ダメだダメだダメだ……どっちかを選ぶなんて出来ない。今まで一緒にいたあいつらを、あんなに必死な顔で俺に託してきたエルフの人達もどっちも裏切れない。何か方法はないのか……。


 ―んー、あんまり時間かけたくないんだよねぇ。じゃあ10数える間に答えてね。0になったらあの子達に剣を突き刺すから。ちなみに何も答えないなら神水もあげないから、そこら辺よーく考えてねっ―


 からかう様な声音がミナセを苛立たせた。


 シルフィードはゆっくりとカウントを始めた。1つずつ減っていく数字にミナセは頭をフル回転させ、なにかいい方法はないか考えた。まるで鐘を鳴らされているかの様に頭の中がガンガン鳴り始め、それなのに自分の鼓動の音だけはしっかり聞こえてきた。


 自分が死ぬ事よりも大切なものが傷つけられる苦しみが、重しの様にずっしりとのしかかってきた。ゆっくり、だが確実に迫る死のカウントダウンにミナセの体は総毛立っていた。


 ―5、4、もう時間がないよー。3、2……やっぱり助けたいなんて嘘か。1……じゃあね、ばいばい……ゼ―



「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」



 シルフィードがゼロと言い終わる前に、部屋を震わせる程のミナセの怒号が響き渡った。猫達に向かって動き出した剣もその声に動きを止めた。


「やめろやめろやめろおおおおおお!! 俺はあいつらも助けるし、エルフだって見殺しになんかしないっ!! なんでそんな簡単に命を奪えるんだよ。両方助けたいと思うのが何がいけないんだっ。誰だって大切な人は守りたいし、それで他人が傷つく姿だって見たくないんだよ! 偽善!? それがなんだって言うんだっ。醜かろうが何だろうが嫌なもんは嫌なんだよ。そんな質問して傷つけて……お前の方がよっぽど傲慢だろうがあああああ!!!!!」


 ミナセはキレた。今まで怒ることはあっても、ここまで感情をむき出しにしてキレる事なんてなかったのだが、他人の命を天秤にかけるシルフィードがどうしても許せなかった。エルフと何かあったのかもしれないが許せなかった。偽善や甘いと言われ理解はできるが納得できなかった。


 ミナセは真っ白な猫手を真っ赤に染めながら、見えない壁を思い切り殴りつけた。


 抑えきれない怒りがミナセの体中に溢れ、それは膨大な魔力となって体の外へ出た。仮にも大精霊が作り出した空間だ。普通であればシルフィードが認めない限り魔法も使えないし、ミナセを囲む結界も壊す事はできない。だが、今までにない程の怒りを含んだ魔力は、それを全て覆し結界すらも壊してしまった。


 そのまま魔力の塊は猫達に突きつけられた剣も叩き落とし、十字架の磔も壊してしまった。怒りに満ちた魔力はミナセの邪魔をするもの全てを粉々に砕いた。


 開放された猫達は初めて見る主人の姿にその場から動けなかった。


 ―あーあ……これはエルフの人達を助けたくないって事でいいのかな?―


 ミナセは冷たく放たれたその声を聞いて怒気を弱めた。シルフィードが悲しんでいる様に聞こえた。そう思えた瞬間、何かがカチリと音をたててはまった気がした。


 体から溢れた膨大な魔力を猫達を守るように展開させた。


 そしてミナセはゆっくりと上を向き熱を吐き出すように話し始めた。


「言っただろ? 俺はあいつらも助けたいし、エルフも見捨てたりしない。目の前で困っている人がいたら助けたいと思う……それはお前に対しても思っている事だ」


 ―別に僕助けてほしいなんて言ってないけど?―


「ずっと思ってたんだ、何でこんなに欲だの偽善だのを試すような試練を用意したのか。初めは意地の悪いヤツで人をおちょくって楽しんでるのかな? って思ったけど、第2の試練で合格って言った時、上手く言えないけど温かいものが俺に伝わってきたんだ。お前は試練を突破された時、嬉しかったんじゃないのか? それにエルフの話しの時も怒りの中に悲しみが含まれている気がした……話しはよく分からないけど、本当は人が好きなのに何か引っかかってそう思う事ができないんじゃないかな? 本当はお前も苦しんでて助けて欲しいって思ってるんじゃないかって。だから俺はお前も助けたいと思ったんだ」


 ―はっ、僕の気持ちなんてお見通しだとでもいいたいわけ? まったく傲慢で醜い生き物だね、だから嫌いなんだよ―


「そう、俺達は傲慢で醜いんだ。他人といつも競い合い自分は特別だと思いたがる。人に認めてほしくて嘘をついたり人を蹴落とす事だってある弱くて愚かで醜い生き物なんだ」


 ―開き直りとか目も当てられないんだけど―


「でもそんな弱い部分を知ってるから優しくだってできる。1人が道を間違えても、もう1人が元の道に戻してくれる。そうやって何度も間違えて正されて人は成長していくんだ。どこかで優しくされたその温かさは、また別の場所で優しさの芽を出す……。そんな美しい部分も醜い部分も合わせて人間なんだよ。シルフィード、何があったか分からないけど……もし人を愛したいと思う気持ちがあるのなら、その醜さも愛してはくれないか?」


 全てを言い終わるとミナセはふぅっと息を吐き、どこにいるかも分からないシルフィードの姿を見つめた。シルフィードとエルフに何があったかは分からないし、今の話しもミナセがそう感じただけで実は全然見当違いの話しだったのかもしれない。それでも苦しんでいる様に見えたし、必死に人のいい所を見つけようと努力している様に見えた。そんな歪んでいるけど懸命にもがく姿を見て本気で助けたいとも思ったのだ。


 俺もバカだよなぁ。あいつらの事殺そうとしてた奴も助けたいとか……。でも、見過ごす事ができなかったんだよなぁ。だってシルフィードのやつ何か必死なんだもん。


 どれぐらいの時間が経っただろう。ミナセは本当に見当違いの話しをしてしまったんじゃないかと不安になり始めていた。助けを求めようと思わず猫達の方に振り返ると、シルフィードの声が聞こえた。


 ―醜さも愛せか……ほんと傲慢なやつだよ―


 呆れた様な穏やかな声が響くと、部屋の真ん中に光の粒が集まりだした。無数のホタルが飛んでいるかの様な穏やかな光景だった。やがてその光が1つに纏まると中から1人の少年が現れた。


 緑色の髪と目が印象的で優しそうな少年は、その顔に似合わない皮肉な笑みを浮かべるとミナセに向かって話し始めた。


「この姿になるのは久しぶりだから何か変な感じだな……。やあ、僕はシルフィードだよ。白猫さんの話しは実に青臭いしつまらなかったねっ。でも、この空間で魔法を使うなんてやるじゃん、僕結構長生きなんだけどそんな奴初めてみたよー。だから、そんな面白いもの見せてくれたお礼に神水は白猫さん達にあげるよ。決して! 白猫さんの話しに感動したとかじゃないからねっ。そこらへんは間違えないでよー」


 話しを聞いたからあげるわけではない部分を強調し、美しい細工が施された小瓶をミナセに渡してきた。薄紫の液体が入っており、ミナセは夢で見たものと一緒だなと思った。


「ありがとう、これでエルフの皆も助かるよ。大きなお世話だと思うんだけど、病気が治ったら祠に皆を集めるから何か話してみるといいんじゃないかな?」


「ほんっとーに、大きなお世話だねっ。そういうのいらないからさー、さっさと帰ってよ、そんな危なっかしい力持ってる奴が近くにいるなんて、安心して眠れもしないからね。ちなみにそれ願いが叶うわけじゃないから。水に数滴垂らして飲ませれば病気治るからねー」


 しっしと追い払うように手を振ると、シルフィードの周りに先程の光が集まり、徐々に消えていった。完全に消える時に小さな声で「ま、どうしてもって言うなら勝手にどうぞ」と聞こえたのは、ミナセの空耳ではないだろう。


 きっちり最後に神水の説明するあたり、素直じゃないな。ははっ、きっとあいつ顔真っ赤だな。


 ミナセは猫達に小瓶を見せながらニッコリ笑うと、全員が幸せになれる結果になった事に満足し来た道を戻っていった。




 ―僕が傲慢か……。何も理解せず押し付けてきたのは僕の方だったのかもね。あーあ、仕様がないなぁ、あんなに凄い魔力の持ち主に目でも付けられたら恐いから、ここいらでエルフの事許してあげようかなぁ。まったく力技なんて嫌な人間。あ、猫か……―


 ミナセ達が立ち去った後、そんな声が響いたのであった。

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