岩戸開き編
第171話 魔法
作者が考えた魔法のイメージです。
キリストは何も無い所からパンを出して貧しい者に分け与えたと言います。
詰りこれが魔法、この世が本当は何も無い世界、ぶっちゃけ量子論的世界ではここまで解っています。
なら魔法充分あり得ますよね?
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本文
現在俺達は地底から出て南アトランティスの首都に集まっていた。
北アトランティスとは西側の領土を分けいまのところ休戦状態に有る。
俺と久美、マルティアは諸々の所用を済ませた後でポセイドーン神殿へと向かった。
陛下達も多少悲しんではいたが、母ちゃんが今生の別れの様に号泣していたのでなだめ役に回っていたからだ。
最終的にはやはり行くと言い出したので止めるのに必死だった。
岩戸開きにはまだもう少し時間が必要との事で、イナンナに楓はついていき、クリスタルタワーに向かった。
そして俺達は神殿の入り口へと降り立った。
「ありがとうな、ルル、ルララ、ルチル、出来るだけ早く帰る、今よりもっと強くなって帰るぜ!」
「はい、お帰りをお待ちしています」
「早く帰って来てくださいね?」
「大丈夫よ! 兄さんの事はあたしが面倒見とくから!」
「はい、久美さん、お願いします!」
ルチル達は浮き舟に乗って戻って行った
「さて、久美、マルティア、行くか‼」
「ええ! 健兄さん」
「はい!主人様」
俺達は神殿へと足を進める、こないだも思ったが、海底に有るはずのこの神殿が現在は陸地、不思議な感覚だぜ…………
「やあ! 来たね、待っていたよ」
「テーセウス! 出迎えてくれたのか」
「まあね、一応僕が皆の講士になる訳だしね」
そして俺達はポセイドーンの玉座の前に辿り着く
「良く来た大和、そして久美、マルティアよ、エリュシオンでは大変だったようだな?」
「ああ、主に母ちゃんの魔法だったけど…………」
「アグディスティスにも困った物だ…………あやつは加減を知らん、特に息子の事となると見境がない…………」
「やっぱりあんたも火星での事を知って居るのか?」
「うむ、我はアグディスティスの率いる軍に所属していたのでな、目の前で我とアイオロスは見ていたよ…………」
「全てが滅んだ、私とポセイドーン様は神衣を着ていたから何とかなったが、アトゥムの一族はは死体も残らず根絶やしだった。アグディスティスはアッティスを殺された恨みを晴らしたかったのだ、アッティスはお前の父の名だ」
「あの時お前はアグディスティスのお腹にいたのだが、アッティスの恨みを張らすために転移させたのだ、そしてお前はアッティスの着けた名のままエンメルカルとして地球で産まれたのだ」
「そうだったのか、親父は火星で死んだのか……」
「そうだ、お前とアグディスティスを守る為にな? アグディスティスが異常にお前を溺愛するのもそもそもはそれが原因なんだ、そして今回の様にお前の身に危機が迫ればアグディスティスは修羅とかす、アッティスの様な事が二度と無いように赤子とて容赦なく滅ぼすだろう」
「その意味でも俺は強くならなきゃいけねーって事か…………」
「そうだ、まだあそこが冥界だったから被害があの程度で住んだ、だがあれがお前がいた世界だったらどうなってたか…………想像は出来るだろう?」
「ヤバイわ、とんでもない事に成ってる…………」
「ああ、そうだな…………俺も自分の母親をこれ以上大量殺人者にしたくねー! 頼むぜテーセウス‼」
「必ず君を今の数十倍は強くして見せよう‼」
そして神殿でのもう特訓が始まった、先ず俺は魔法が使えない分久美やマルティアと比べると大分遅れている、俺もエンメルカルの時は魔法が使えたと母ちゃんからは聞いている、詰り魂がまだまだ発達してないんだ。多分浩二に分けていなければ直ぐに使えただろうとテーセウスは言うが、それじゃ駄目なんだ、浩二は俺にとってかけがえのない弟分なんだ、奴が助かるのなら俺はいくらだって自分の力を捨て去っても構わない。
「そうだね~多分大和君は君の未来にあった知識が邪魔をしている様だね、なら君が納得出来る魔法の構築をした方が早そうだ」
「俺の納得出来る魔法?」
「君は魔法とは何だと理解しているんだい? そして何故君に魔法が使えないと思っているんだい? その根本を解決しないと君には魔法は使えないと思うよ?」
「そうだな、この世界にはマナが満ち溢れていて魔法はそのマナを操る気管である松果体が現代人は退化しているから俺には、と言うか天空人には使えないと…………」
あれ? なら何で久美には使えたんだ? そう言えば…………いくらエレキシュガルの魂が甦っても肉体は久美のままだ…………
「間違いに気づいた様だね? 今君が言った事は人間にマナの使いかたを人間が使える様に教えた時の理屈何だよ、だから本質はもっと違う所に有るんだ! 良いかい? マナとは真名の事何だよ、その本質を真名にするんだ、其が魔法、そして真名はどうやって具現化する?」
「言葉か⁉」
「当り! 其が詠唱何だ、君はフォルムが使えるよね? だけど本質はフォルムも魔法も同じ物何だよ、ただ扱う物が違うだけ何だ。 フォルムは内なる物からイメージだけを取り出しこの世界に有る真名から物質を具現化させる、魔法は霊界、言わば別の世界からイメージを具現化出来る物を取り出してこの世界にイメージを具現化させる。
大和君、君は恐らく心の何処か片隅で霊界の存在を否定しているんだ、だけど本来否定するのはこの世界であって、霊界こそが本当の世界なんだよ?」
「頭では理解しているんだけどな~?」
「兄さんは物理学随分と熱心に勉強してた物ね? 其が多分引っ掛かっちゃってるのよ」
「成る程ね~、確かに僕の記憶に残る地球での物理学は間違いが大きいんだよね」
「テーセウスは地球の物理学を知っているのか?」
「おいおい、この世界は何回やり直していると思ってるんだい? この地球が滅亡する未来だって存在するんだよ?」
「あ! そうか、記憶を引き継げればそう言う未来も体験しているのか」
「そうだよ、イナンナの今の肉体だって地球の未来人の物何だよ、聞かなかったかい?」
「そう言えば聞いたな…………」
待てよ? イナンナもテーセウスも未来人で有る俺よりも魂だけは俺より未来に行った事が有るんだよな? て事はイナンナやテーセウスにとっても俺と同じでここは過去の世界なんだよな? そして俺にとっては現代である世界もイナンナやテーセウスにとっては過去なんだ。
だが過去は改編出来る、詰り改編された後は俺達にとっては一応この先は未来に成る訳だ…………
だから理屈としては俺はこの先の現代には戻れない事に成る、、だが俺は改編された現代に過去二度も戻って居る…………
そう言えば朔が言ってたな? 原因が無くなれば結果も無くなるか…………
「なあ、テーセウス、もしかして因果律って結構適当だったりするのか?」
「適当とまでは行かなくとも、大和君成りに言えば方程式では無いね、原因が有れば結果は生じるが、その結果は変える事も出来るし、原因そのものが無くなれば自ずと結果も生じない、そんな処だね」
「成る程な…………魔法多分出来るぜ‼」
「おう! 何か掴めたかい?」
「掴めたと言うよりこんな後だしじゃんけんみたいなもん俺は認めねー! てかそれでもこれが真理なら仕方ねーけどよ!」
健の手のひらに炎が渦を巻いていた
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そしてムーでは朔耶が魔法の訓練をしていた
「やはり難しいです、理屈では理解出来るのですが…………」
「う~む、、何と説明すればよいのかのう~」
「そもそも姉さんはティアマト人だから使えるんじゃないですか? 私は半分地球人ですし~」
「何と言うか、魔法に人種は関係ないのじゃよ、地球人でも使おうと思えば使えるし……お? 朔耶! 主人殿から念話じゃ! 魔法が使える様になったみたいじゃ‼」
『朔、朔耶は魔法出来たか?』
『難しいみたいじゃのう…………処で念話が出来ると言う事は主人殿は魔法が使える様になったのじゃな?』
『ああ、使える、多分俺の魔法ヤバイ領域だな』
『知っておる、エンメルカルの魔法はアグディスティスに引けを取らぬ物じゃったしのう』
『そこで朔耶に苦労して魔法を教えてるお前にちょっとしたアドバイスをな』
『そこじゃ、何と教えて良い物か解らぬのじゃよ…………』
『俺も理解するのに苦労したよ、だけどな、解ったらアホか! と思ったぜ。先ず魔法は消しゴムだ! 今そこに有る物を消して新しく色を着けるんだ‼ 因果律何て物はねーと思え‼ 今手の平の上に有る空気を消して炎を書き込むんだ、そうイメージすれば出来るさ! 元々手の平の上には炎が合ったんだ、心頭滅却すれば火も又涼しを字で行けば良いのさ、そう朔耶に伝えてくれ‼ じゃあ俺の方は戦闘訓練だけだから割りと早く戻れそうだぜ‼』
『うむ、はよう戻られよ、待っておるぞ‼』
そして朔耶は…………怒った…………滅茶苦茶怒った
「魔法ってこう言う事ですか? これが魔法なんですか⁉」
「そ! そうじゃ! じゃからそれ以上大きくするでない‼」
難しく考え過ぎていた分その後の怒りは凄まじい、因果応報糞食らえ、これが魔法だった…………
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