第144話 エレキシュガル

ここで久美がやっている事は、瞑想時にやる、魂との会話をする為の初歩的な手段だそうです。

何かの本か何かで見ましたが……忘れました…………

この状態で、見えた先に、ダイブすると、自分の魂と繋がるそうですが、作者は一度も成功しませんでした。

皆さんも物は試しでやってみては?


本文

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有為の奥山、エアの力を呼び覚ます禁断の魔法

現代の三柱とも言える陛下、ナーナ、ルチルが合わさり三種の神器を使って初めて具現化出来る最大最強の魔法。

やはりこの力に不可能は無かった。


「まさかギガンテスを一刀両断出来る剣がこの世に存在したとは、大丈夫ですか?婿殿」

「ああ、大丈夫だ、それよりその位置だと下からパンツが丸見えだぜ?テミス」


「巨人の熟女にまで欲情するとは、噂以上のお人のようですね」


「それより向うでテイアーとディケーが戦っている、助けてやってくれ!」


「向うにはエウノミアーが向かいましたよ!それに彼女たちが入隊したワルキューレ隊、少々驚いています。人間にしては相当な手だれです」


ーーーーーーーーー


敵軍本拠地ティワナク


「ゲム殿! ドラコ族は殆どが殺られ、又ギガース族も半数が壊滅との事!」


『致し方無い、これを使うしか無い』


「ですがゲム殿、それを使えば又同じ事に!」


『オリュンポスどもが揃う迄はまだ200年以上有る、それまでにもっと力を蓄えれば良いだけよ』


「ですが……」


『覚悟を決めろレムナンド!』



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「マルティア! 後ろ!」


「む! ター!」


マルティアの背後から迫った敵を横凪ぎに両断したマルティア


「すまない久美!」


「でもこいつ、私達の力じゃ傷すら付けられないわ!」


「剣はお祖父様が鍛え上げられた至高の剣何だ、問題は私の力不足…………」


「駄目なの? 健兄さんの力に成りたくてここまで来たのに、私は足手まといでしかないの?私だってティアマト人の子なんでしょ⁉ どうして、朔耶だってあそこまで覚醒出来たのに」


そんな時、久美の心の奥からうっすらと声が聞こえて来る……


『素直な気持ちをぶつけなさい、貴女が愛する人を素直に思いなさい、女は誰かを愛する為の性、その強い愛が無限の力を発揮する』


「え⁉ …………でもどうやって」


『理屈ではないのです、強く愛する人を思う、体の奥底から思う、頭で考えてては何時までも貴女はそのままです、魂の叫びは頭から来てはいないのよ? 心に自分を思い浮かべなさい、出来るだけ鮮明に』


「え? うん」


『手足を消しなさい』


「え~と、うん消した……達磨……」


『次は体を消して』


「消した……生首…………」


『頭も消すの』


「え? う、うん消えた」


『そこには何もない、でも一つだけ残っているものが有るでしょ?』


「あ! 心! 私の心が残っている」


『そこで強く思いなさい! 愛していると‼ 愛する人を助けたいと! その時こそ私の力を貴女に与えます』


「うん、私は……」

久美は自らの暗闇に残った自分の心に自分を重ねた、そして強く思う


私は、私は健兄さんを愛している、こんな所で足手まといになんか成りたくない! 私が傍らにいて健兄さんを助けるの! だって、だって愛しているからぁぁぁ!


突然黄金に輝く久美、そして背中から俺と同じ黒い翼が生えて来て、髪の毛がみるみる黒髪から金髪に変わっていった。


「んな! お、おい! 久美……か?」


「ん~、久美で有って久美じゃ無いかも? 記憶は間違いなくあたしなんだけど…………これ多分エレキシュガルの体よね?」


「ん~よく解らないが、まあちょっと戦って見れば解るだろう」


「そうね、だけどこれ、多分ウルスラグナで真っ二つに切れるよ! そうなるのが当たり前ってこの体が言ってるし…………私の母親ってイナンナらしいんだけどさ? ちょっとこの強さ反則級よね? イシュタルがあれだけ強いの当たり前だよ」


「解るのか? 久美」


「解るよ? 見てて!」


久美は一気に羽と風化輪で加速し、ギガースを一刀両断にした、間伐入れずに背後から迫ったドラゴンを魔法で凍らせる。


「ちょっと! それ、王宮の氷魔法! 天空人は魔法は使えないんじゃ!」


「うん、だから私ティアマト人? だから使えるみたい」


ーーーーーーーーーーー


月クリスタルタワー


「はー…………未だ中途半端だけどようやく久美が、エレキシュガルが覚醒したようだよ」


「まだ完全ではないのですか?」


「エレキシュガルも出づらいのだろうね、あれだけ父親をボカスカ殴っているのだから」


「元々お姉さまはお父様の血が濃く出ていて暴力的でしたけど、お父様にだけはべったりでしたからね…………」


「心の奥底で泣いていただろうね…………」


ーーーーーーーーーー


別働隊、セーラ


「シンラ殿、ゴスペル殿、そろそろ限界です、ドラゴン達が向こうの異変に気付いた用です」


「そうですか、いい頃合いでしょう、ゴスペル殿、こちらも向こうに合流しましょう」


「打って出ますか! 解りましたシンラ殿! 皆聞け! これよりASR隊を筆頭にこちらから打って出る! 敵軍の背後を突くぞ‼ 押し出せーーー!」


セーラ達別働隊が出陣した、敵陣の背後から押し寄せる形になる


「カーリー! 私達はドラゴンを殺るよー!」


「はいよ!」


「行け! ドゥン」


獅子に乗り飛び立つシャチーとカーリー、ドラゴンを相手にしながら健達の元にドラゴンを誘き出す手筈だ


ーーーーーーーーーー


「来たな、テミス、もう大丈夫だ、ディケー達の元に言ってやってくれ! 別働隊が動き出した」


「解りました、婿殿も気お付けて!」


「ああ! 頼む」


俺は本隊の方へ急いだ、猛烈な戦闘を行っている地域があった。


「あれは、海王軍か、アイオロスと、、ネーレウス、流石だな……」


俺はアイオロスの元に迎い、一匹のギガースを叩き切る


「アイオロス、加勢は必用か?」


「入らぬ心配だ! それよりその剣、真の姿に目覚めたか」


「ああ、土壇場でな」


「パラスがはぐれてしまった、心配だ! 行ってやってくれ!」


「解った、マルティアは必ず守るさ」


そして俺はマルティアと久美、朔耶が戦っている場所に行き…………驚愕の光景を目にした


「何ぞ? これ…………」


ギガース達が、ある者は両断され、ある者は縛りあげられ、又ある者は脳震盪を起し泡を吹いていた。


「ミンティア! 久美やマルティアは?」


「ああ、総帥、久美大将とマルティア大将は朔耶様とこの先で戦っていますよ? 久美大将は随分と雰囲気が変わられていましたけど」


ミンティアは巨大なこん棒を両手でよっこらせと持ち上げ俺に見せてきた、ギガースが持ってたこん棒か……ヘカトンケイルでも来てたのか?


「へ? 雰囲気が?」


「私は目覚めたギガースをもう一度これで殴って寝かせる様に言われここで見張っているんです」


「そ、そうか…………大変だな…………引き続き頼む」


俺はそのまま久美達の後を追った、そして見えてくる激しい戦闘、地上では地龍やギガースと戦う朔耶とワルキューレ隊、空中ではドラゴン数引きと戦うマルティアと久美?がいた。


「俺も加勢するぞ! お前らよく無事でいた!」


「主人様!」


「健兄さん!」


「総帥!」


そして……


「お父様ーーーーーーーーー!」


と言って久美?が抱きついて来た…………

「んな! お! お前? 久美か?」


「そうですよ! 久美です!」


と、明らかに久美では無い反応を見せ、ディープキスをしてくる久美擬き


「何をやっている久美! 後ろからドラゴンが!」


「え? 邪魔しないで!」


バキ!


裏拳を繰りだしまたもや

「お父様~」


と言ってディープキスをしてくる、だが……

久美が裏拳を放ったドラゴンは泡を吹いて落下していった…………


「んーーーーーーーーー!」


何ーーーーーーーーー!

と言っているが、ディープキスをされているので声が出せない


実は久美の心の中では

『何人の心乗っ取ってるのよ!』

『侵害な! ちゃんと断りましたよ!』

『そりゃ何百年ぶりに父親に逢いたいって言うから変わってあげたんでしょ? 何でキスが出て来るのよ⁉ 普通親子でキスなんかしないでしょ!』

『あら? 欧米人は親子でキスしますよ?』

『ディープはしないでしょディープは!』

『些末な事です、舌を入れるか入れないかだけの差ですから』

『些末じゃ無いわよ全然、てか真面目に戦闘しなさいよ!』

と葛藤していた


「お、お前、エレキシュガルか?」


「んふ~んバレちゃいましたか? お父様」


「はー…………まあ何だ、とりあえず戦闘に集中しろ、後で可愛がってやるから」


「はい! お父様」


どうにも何故こう言う性格に成ったのか不思議なエレキシュガルであった……


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