第30話 ナーナ
セヴァン高原ではアンナの言う通り、様々な魔物が出てきた。
時には魔法を使う者すらいる。
外見は恐竜だがやはり俺が知る恐竜とは禍々しさが違う。
魔物と言うか……これどう見ても恐竜だよな?現代で言われてる恐竜って、元々は全然違うんじゃね?魔力を持った知的生命体だったんだろ、実は……
そして幾度かの戦闘後
「止まって下さい!凄い魔力を持った何かが……あの下に、誰かが襲われています!」
俺は少し下がった尾根下を除く
「まっマジかよあれヒュドラじゃねーか?」
「その昔神が造った合成獣の一つですね、襲われている方はふびんですが、あんな物相手にしてたら命がいくつ合っても足りません」
アンナがそう言い立ち去ろうとした、、だが
神が造った合成獣?キメラって事か、……遺伝子操作……また天空人かよ……
「お前らはここにいろ!助ける」
「ご再考を、いくら天空人である健様でもあれは手に余ります」
「理屈じゃねーんだ、やらなきゃいけねーんだ、あれがキメラなら」
「あれを天空人様が造ったという記録は無いんですよ?太古からいる生物としか解って無いんです」
「ラフィーネ、キメラって事だけで十分なんだよ、あれは遺伝子組み換えで作られた生物なんだ、そんな技術がこの世界に元からあるわけねーだろ!」
「それは……」
「それでは私もお供致します、駄目と言われても聞けません、貴女達はここで待機、ラフィーネとリーアは何時でも動ける様に戦闘体制で、良いですね?健様」
「解ったよ!」
正直回復魔法の使えるアンナは心強い
「行くぞ」
飛び降りてヒュドラの前へ行く、襲われていたのは見るからに高貴そうな貴族っぽい馬車だった
「おい!怪我人はいないか?」
「あなた方は?助太刀に来てくださったのか?」
それはかの、伝説の凌辱され族!女騎士達だった
「こっ‼これは、なんと!クッコロ族達ではないか」
「クッコロ族?私達は帝軍近衛師団、第三小隊だが?今はさる御方の護衛途中だ」
「気にしないで下さい……主は何時もの発作が出ているだけですから……」
「発作?そ、そうか……」
俺はここで冷静に考えた……
ここで俺がこのクッコロ族達を華麗に助ける、クッコロ族達は俺の強さに感激、クッコロモードに入る、そしてあの馬車からは間違いなく美女が現れる、それが定番の流れだ。
そして美女も俺の華麗なる闘いを見て、その強さに感激。
自ずとクッコロ族も美女も俺のキャノンを自ら受け入れる事になる‼
完璧ではないか!燃えて来たぜ
そして健のキャノンがかつて無いほどに立ち上がる。
クッコロと言うラノベやアニメでは、最早伝説的な、言わば核心とも言える存在を前に‼
健は感じた、これこそがあのLEGEND冴○遼のみが得とく出来たという一子相伝のパワー……
モッコリパワーだ!
「お前達は全員下がっていろ!ここは俺だけで十分だ……」
「い、いくら何でもそれは無理です、あれは……」
アンナは感じた、健から感じるかつて無い程の強烈な力を
「はー……お任せしましょう、凄まじい気迫を感じます、禍禍しいですが……」
「行くぜ‼このチ○カスやろう‼」
健の後ろにオーラが漂う、そして健は両手を広げ自らの手で12の軌跡を描きだす
「おぉぉぉぉぉぉぉ」
アンナは冷めた目で健を見ながら……
「あの舞は必要あるとは思えないのですが……」
「あっ、あの方の後ろに漂う、あのオーラは!
そしてあの12の軌跡が描き出し、コスモと合わさり形となって作り出す!あっ‼あれは!」
「男性器ですね……」
「食らえ!銀河の星々さえ砕くというこの、ギャラ○シアン、『ジャキーン‼』エクスプロージョン‼」
「効果音を口で態々入れる必要はあるのでしょうか?……」
健の必殺技‼……只の先程撃ったインドラをヒュドラの九つの頭に同時に撃ち込んだだけだった……
だがヒュドラは絶滅、星は砕かないが、ヒュドラは舜殺した。
「す、、凄い、なんと言う強力な魔法だ‼
助太刀感謝致します、お名前を聞かせて下さい!
私は、私は近衛師団、第三小隊の隊長をしております、セレスティア.グレイス」
フッ……確実に俺への眼差しがクッコロモードだぜ!
「俺は健だ、松田健」
「私は健様の性奴隷のアンナでございます」
「不思議な御名だ、は!もしや……あなた様は天空人様ですか?」
「はい、確かに主人は天空人でございますが、諸事情により天空人と言う呼びなを主人は嫌います。
出来ましたら御名でお呼びくださると助かります」
「そうであったか、それは知らぬとは言えご無礼致しました」
「ああ別にいいさ‼」
「姉上、ナーナ様がお礼を申しあげたいと」
「セフィリア!、、健殿、我が主が健殿に是非お礼がしたいと申しているようです。
こちらにきてくださらぬか?
あそこに控えるは、我が妹のセフィリアです、この隊の服隊長をしております」
「ああ、解ったよ!フッ、妹さんも貴女に負けず劣らずの美人だな‼」
よーしゃ!さりげなかったぜー今のは‼
「そ、そのようなことは……」
赤くなってるじゃねーか!
「ではこちらへ、セフィリア、松田健殿だ」
「助太刀感謝致します!私は近衛師団、第三小隊副隊長、セフィリアでございます、ナーナ様!健様が参られました」
馬車からナーナが降りて来た。
俺はナーナを見て驚愕した、その女性は紛れもなく、健が転移前に峠道で看取れた女性だった。
俺は言葉もなく、只呆然とその女性を見つめた。
「ナーナ、と申します、このたびはお助けいただき感謝の言葉も御座いません、何かお礼をさせて頂きたいところなのですが、何分諸事情が御座いまして、何も持ちあわせが御座いません、どうした物か……」
『ヤベー、滅茶苦茶美人だ……間近で見ると更に半端ねー美人だ……いや、そんな言葉じゃ表せねー、神々しさすら感じるぜ……』
「健様?」
「あっいや、わりー、所でちょっと聞きてーんだけどさ、ナーナは俺がこっちに飛ばされる時、向こうの世界に居なかったか?てか、もしかしてあんたが俺をこっちに連れてきたのか?」
「、、、⁉まさか、、貴方が姉上の運命の御方なのですか?では姉上は今ここに?……いえ、そんな事ありませんね……どういう事なのかしら?……これは一対?」
「ナーナ、滅茶苦茶困惑してるとこわりーんだけど、とりあえず聞いてるの俺なんだけど?」
「これは申し訳ございません、やだわ、私とした事が……恥ずかしがい」
照れて赤くなってるとこがまた半端ねー破壊力だぜ!
「どうして健様がその様なご質問をされるのか私には皆目検討が着かないのですが、まず健様がこちらに来るときにいたのは私ではございません」
「でも、間違いなくあんただったんだよなー?」
「それは恐らく私の双子の姉、ナンナです!今は帝と呼ばれております」
「ちょ!まっ!、マジかよ、じゃぁ俺を連れてきたのは陛下だったのか!」
「陛下?……いえ、それも違いますよ!いくら帝でも人を転移する力など持ち合わせてはおりません」
「じゃあ……何であそこに陛下は居たんだ?」
「健様が帝の事を陛下と呼ばれているのであれば、、、それは帝が健様をお迎えにあがったからだと思います」
「どういう事だ?迎えに来たって」
「神道、と言いますが、私達神道を行う者は、それを極めると一定の未來が見える様になるんです、これを夢見の行、と申します。
又、魂飛ばしの行と言って、人の持つ四魂の一つを飛ばして、異なる世界にそれを送り込む事も出来るんです。
姉上は幼い頃から神道を極め、とても強い力を持っておりました。
そして姉上は貴方と共にこの乱世を戦う未來を幼い頃から何度も見て参りました。
故に、貴方が訪れる未來を知り、突然飛ばされる戸惑いと危険からお救いするために魂飛ばしを行い、お迎えにあがったのだと思います。……のですが……当の健様はその様な事を仰っているので、私困惑してしまいました。
何か事故でも合ってお伝え出来なかったのでしょうか?」
『……はい……有りました……看取れてて事故りました……
んな事言える訳ねーだろ!』
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