第29話 神話の真実

ヴェルダの町から大分放れ俺達は急速を取っていた。

セリナを懐柔した俺は一芝居打つために、ヴェルダに残した。

帝に対しトイレ盗撮を行おうなど俺は思っていない、あれは俺からの些細な意趣返しだ。

帝の側には久美がいる、きっと俺からの暗号を解いて、帝は恐らく戦々恐々だろう。

久美には俺のスペシャルコースを味わって貰わねばならん。


話は変わるが、ヴェルダの町で俺達は装備を整えていた、俺は剣を新調し、アンナは杖、アンナはオールラウンドに何でもこなすが、俺はアンナに基本、魔術戦を要望した。

何故なら戦闘要因で魔法を使えるのはアンナと俺しか居ない、俺の場合は厳密に言うと魔法じゃないが……

アンナは戦闘魔法、回復魔法、戦闘補助魔法を使いこなす。

次にラフィーネだがアンナの指導により槍使いに成っていた。

アンナは様々な武器を持たせ、一番適性の有る武器をメインにした、ラフィーネの場合それが槍だった訳だ。

リーアは弓、理由は目が異常に良い、ここで思ったのが、同じ人間でも環境によって性格も変われば体力面も変わると言うのが解った。

ルチルやセナ、ミーシャは戦闘要因ではないが、開いてる時にアンナは戦闘訓練を施していた。

所謂護身術って奴だな、そこで解ったのが、ルチルは壊滅的に戦闘に不向きだと言う事……

まず、鈍い、ビビり、体力不足、目が悪い、動体視力なんぞ無いに等しい、俺達の世界的に言うと、運動音痴って奴だな……

そこで俺がせめてもの護身術として、空手の稽古を着けた。

これにアンナが感動、アンナ曰く最高に洗練された武術だと言う。

そして俺は全員に皆に稽古を着けた。


余談だが、俺がやっていたのは和道流わどうりゅう空手、所謂古流四大空手道の一つで、この他に、剛柔流ごうじゅうりゅう糸東流しとうりゅう松濤館流しょうとうかんりゅう、の四派がある。

グダグダと説明はしないが、ザックリ言うと、アニメとかで空手を見るとチョップとかあるだろ?あれは所謂フルコンタクト〈防具着けないで殴り会うやつ〉の空手ではない。

つまり皆がアニメでみるやつが四大空手、リアルで見るやつが最近出来たフルコンタクト空手。

因みにフルコンタクト空手〈極真空手など〉

これは四大空手から発生したものだ。


話は戻るがルチルはこれも形は覚えたが、相手を蹴る、殴る、になるとビビりまくって話にならないので、避ける、相手の関節を取る、を教えた。


所がルチルは意外な所に天性の才能を見せた、それは気配探知能力と魔力探知能力、これが異常に高い。

多分俺が最初の頃半ケツで力説するはめになったのはこれが働いたかも?と言うことで、我家のシエラを除いて全員が、一応戦闘が出来る様になった。

シエラは水魔法を中級まで使えるのでさしたる問題は無い。




「ここから先はセヴァン高原に入ります、途中に森や林がいくつもあり、強力な魔物も多く出現しますので、隊列を組みます。

先頭はラフィーネ、次に健様、ルチル、ルチルは主に索敵を、次にリーア、ミーシャとセナはシエラの両サイドに、道が細いから気お付ける様に、しんがりは私が勤めます、良いですか?」


「おう!」

「はい!」


出発だ、森に入ると早速魔物が出てきた


「気お付けて!何か前にいます!あの木が倒れているとこ」



「うぉ!トリケラトプス」



「モノクロニスです、肉食ではありませんが気性が荒く、見つかれば攻撃してきます、倒しましょう、あのヒレと角は高く売却出来ます。

リーア、先制攻撃を健様はシエラ達を守っていてくださいラフィーネ!行くわよ」


「俺は行かなくて良いのか?」


「大丈夫です。」



まずリーアが弓を射る、こちらに気ずいたモノクロニスの肩に弓が刺さった、突進して来ようと身構えた時、ラフィーネの槍が凄まじい速度で2回3回と突きあげる


「あれが補助魔法の威力か……スゲーな」


またも風切り音がする、リーアだ。

今度は正確に右目を貫いた、悶絶するモノクロニス、だが動けない、足が凍りついていた、アンナの中級水魔法だ。ラフィーネが素早く前方に飛び出し、高速の突きを眉間に突き刺す、4メーター近いモノクロニスの巨体が轟音と共に倒れこんだ。


「ふぅ……」

一安心するラフィーネに


「お母さんもお姉ちゃんも凄~い!」


「ミーシャ!私達はあの角とヒレを取るのが仕事よ‼」

相変わらず姪に叱られるミーシャ


「は~い」


「リーアさんの弓、相当腕を上げましたね~」



「先生が良いですから」



「お姉さんより良いかもですよ?あの飛距離は正直凄いです」



「皆上出来です、セナ、終わりましたか?」



「はい!終わりました」



「では」



アンナは火魔法で死体の焼却をする

「行きましょう」



少し歩いたらまたでた、本当にここは魔物が多い



「右前のあそこの岩場のかげ.何かいます!」



「スゲーなルチル.あんな遠くでわかんのか……」



「魔物にも魔力が有りますから」



行きなり魔物は飛びあがりこちらを見つける


「ぷ.プテラノドン!……デケー」


「オルニトケイルスです!非常に危険です!上空から急降下して生き物を襲いますよ」

シエラが指を指して興奮気味に言う



「魔法で撃退します!リーア、上空で一瞬動きが止まったら降下してきます

真っ直ぐに打ち込みなさい!ラフィーネは護衛」


「いや、ここは俺がかっこ着けさせて貰うぜ‼」



「健様?」


俺はジャンプして近くの木に飛び乗る、正直こんな事出来る様になるとはな……


「ヴァジュラ、ヴィシュ、ヴァルーパ、インドラ!」


強烈な電撃の柱がオルニトケイルスを襲う、一瞬で黒焦げになった7メーター近い巨体が、ズシーン!

と地響きと共に落ちた。


「私はオルニトケイルスをこんな一瞬で撃退した人は見たことも聞いた事もありませんね……」

アンナが若干呆れ気味に呟く、同時にシエラ迄


「魔法で雷を撃つ人もですね……」


「創造主様はよく使ってましたよ‼」



「ジャクソンが?マジか?セナ」



「はい!どこだかの神様が使う技だとか……」

ラフィーネが口元に手を当てながら考えていたが……


「マハーバーラタ、ラーマーヤナの神様だな!」



「そう言ってましたね!」

セナが思い出した様に言葉を合わせた



そうなんだ、俺は気ずいた。

フォルムとは形、を意味する、そしてこの世界は言わば神話の世界、そしてここはムー大陸。

つまり日本神道やマハーバーラタ等の世界なんだ 。

て事は神話を形にしてやればいい、故にフォルム

そして神話の話は実在した。

この世界は神話の中の世界でもあるんだ。

そう、俺達天空人が神話の神様なんだよ……

もともと神様なんていないんだ‼

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