第23話 同行者

5日が過ぎ、今日はルチルを医者に見せる日だ。

子爵の話しだと、かなりの上級医師らしい、回復魔法はアンナも使えるが、アンナはあくまでも、戦闘での応急処置位しか出来ないらしく、しっかりと医術を学んだ者でなければ完治とは行かないと言われてしまった。

よくあるラノベやゲームなどの様に、HP満タン回復とは行かないようだ、まあそりゃそうだよな、魔法とは創造力の産物であるならば、体構造を理解してなければ治療したいと思っても、どこをどうするのか解らなきゃ治療の使用がない。


午後になり医者が到着したとの事で、俺はルチルを連れて早速医者の所に顔を出した。


「失礼します!」



「どうぞ~」



女の声だ……



医者は子爵との会談中だった



「おお松田殿、紹介しよう、当家の専属医、セリナ、グラハム殿だ‼」



「はじめまして、セリナ、グラハムです」



「グラハム?どこかで聞いた様な……

ってまぁいいや、松田健です、よろしく」



「では早速診察しましょう、あなたがルチルちゃんね?」


「はい!ルチルです、よろしくお願いします」



「本来私はジャーリアは診察しないんだけど、子爵と天空人様の依頼であれば断る訳には行かないわ‼じゃあルチルちゃん、こっちへいらっしゃい、天空人様はこの子に処方してた薬を持って一緒に来てください」


「ああ、解った」



「ではワシは警備隊の所に行って来るかの」



「どうしたんだ?いきなり警備隊なんて」


「どうもベルガの様子がおかしいらしくての、その確認じゃよ」



「ベルガっていや、革命軍の」



「そうじゃな、下手をすればここもまた戦場じゃ」



「そうか……気ぃつけてな」



「痛み入るの」




「じゃあ傷口を出して」



「はい!」



最近ではルチルの裸も見慣れ来て即ヴィクトリーにはいたらないので助かる……



「傷はほぼ治りかけてる、初診で余程腕の良い医者に診て貰ったようね、これだけの傷が数日でここまで塞がっているなんて……

天空人様、薬を見せて貰えますか?」



「ああこれだよ‼」




「この薬……天空人様!この薬をどこで?」



「その初診で診て貰った医者に貰ったんだよ!ハサン先生って言うんだ」



「え!……よくあの人がジャーリアを診察しましたね……信じられない……」



「知ってるのか?」



「知ってるも何も、私の主人です」




「グラハム……そうか、どおりで聞いた事あると思った」




「なるほど……だから主人は帝との謁見を私に依頼してきたのですね、主人とはどういういきさつで?」



俺はハサン先生とのいきさつを、セリナに大まかに話した、携帯の件も含め、するとセリナは



「あれが直ったの⁉嬉しい~‼」



と言って俺の頭をグリグリとその二つのバスケットボールに押し付けてきた、当然俺は離れるふりをしながら揉んだのは今さら説明不用だろう……


俺はこの時『ド○クエでこれの事確かパフパフって言うんだよな?』としょうもない事を思い出していた。



セリナの回復魔法は完璧だった、ルチルは傷跡も綺麗に無くなり、完全なロリータボディーとなり、見慣れた筈の俺の股間を激しく刺激する様に成った。

が、、今ここでおったてる訳にも行かない、セリナに変態扱いされる訳には行かないのだ。

俺は久しぶりに中学生の頃にマスターした奥技を繰り出す。


これは難しい、、、、、はたして今の俺に出来るだろうか?



余談だが、ここで奥義の説明をしよう


まずおもむろに両手をポケットの中に入れる、そして極自然に両手をポケットの中で、丁度小さい前へ習えの状態に少しずつ、だが急がずに垂直にする、年代によってはサンダー○ードの手と言った方がわかりやすいだろう。

この時、体は動かしているのが望ましい、出来ればチンピラがやる様なカクカクして頭を上下させる柏ノ木○ックの様な動きを推奨する。

この動きは、手の動きと連動してリズミカルに行うと、マイサンがだんだんと腹の方へ寝て来ると言う、特種効果が期待出来る。

こちらもサンダー○ードのチンピラ風と言えば解る人には解る。

注意事項としては、あまりにもはり過ぎると返ってビッグマイ.サンだと勘違いされかねない、こうなるといじめの対象になってしまい、逆効果になるので注意が必要だ!

小、中学校位の年代は、一瞬のスキがいじめへと繋がるので、この奥義は父親が確実にマスターするまで特訓に付合い、免許皆伝までは封印しておく必用があるだろう。


以上が咄嗟の状況下で繰り出せると、健全な恋愛が可能になる秘奥義の説明だ、話は戻る




間違いない、セリナは俺の股間を見ていない!

ごまかせたな……


「それで天空人様はこの後オオギュスタに行かれるんですよね?ご出立はいつに?」


「日程はルチルの容体を見てから決めるつもりだったが、まさかここまでとはな、セリナにはお礼の言葉しかないよ!」


「では明日立ちましょうか、私も荷物は全て纏まっているし」



「は?何でセリナの荷物が関係あんの?」



「それは一緒に行くからに決まってます」



「いやいやいや、聞いてないし、初耳だし」



「私も今初めて言いましたし、初めてお聞かせしました‼」



「揚げ足取らんでいい!何の為ときいとるんじゃ」



「子爵が乗り移ってますね、理由は至極簡単です、あなたをこのラ.ムーから1歩も出さない為です、主人もその件で帝に拝謁を求めたんだと思います」



俺の顔付きは一瞬で変わった、自分でも解るくらい険悪な表情に


「そりゃもしかして、力ずくでもって意味にとってもいいのか?」


「慌てないでください、貴方を力ずくなんて帝都の武官100人でもむりですよ」



「俺が素直にはいそうですかって言うと思ってんのか?」



「無理でしょうね‼でも貴方を力も頭も使わずにラ.ムーへ留めておける方法が今私にも解りましたよ?多分主人もそれが解ったから帝へ拝謁を望んだのでしょう」



「ほう、そりゃ是非ともその方法ってやつを聞きたいもんだな……」



「いいですよ、でも私じゃなくても誰でも解ると思います、あなたのその膨らんだそこを見れば……」


俺はセリナの指した方向を目で追った……それは確実に俺の股間を指していた。


「上手く誤魔化しているつもりの様ですが……そんな状態で凄まれても……ねぇ……」



「健様……」



「なん、と、、、俺の奥技が、、通用しない、、、だと⁉」


気持ルチルの俺を見る目が、まるで汚い物を見る様な目に見えたのは、、、気のせいだろう……であってくれ、、、

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