第8話神様は言った。もっと適当で良いからと

 八神 慧 (??) LV76325 ジョブ 無し   

 

  HP 0/0 MP 152634/152635


 スキル ステータス Master アイテムボックス Master 鑑定 Master 採取 Master 農業 Master 狩猟 LV78 鍛冶 LV89 料理LV82 格闘LV45 錬金術 LV41 調剤 LV69 武具習熟LV65 兵器習熟LV72 敏捷強化LV72 テイム Master 騎乗LV45 木工LV65 漁業LV 68 水泳 Master 火耐性 LV57 水耐性 Master 風耐性 Master 土耐性 LV52 苦痛耐性 Master 出血耐性 Master 混乱耐性 Master 衝撃耐性 Master 重力耐性 Master 窒息耐性 Master 恐怖耐性 Master 飢餓耐性 Master 睡眠耐性 Master 気絶耐性 Master 体内制御 Master 肉体強化 Master 生命力強化 Master 自己治癒 Master 精神強化 Master 精神統一 Master 瞑想 Master 明鏡止水 Master 無呼吸 Master 不眠不休 Master 方向感覚 Master 空間認識 Master 水流制御 Master 思考制御 Master 殺意 Master 威圧 Master 激怒 Master 鬼神化 Master 怪力 Master 剛力 Master 豪力 Master 火魔法 LV57 水魔法 Master 風魔法 Master 土魔法 LV52 重力魔法 Master 回復魔法 Master 空間魔法 LV26 多重詠唱 Master 無詠唱 Master 並列思考 Master 思考加速 Master 魔力制御 Master 魔力支配 Master 魔纏 Master 見切り Master 光合成 Master 空歩 Master 天駆 Master 瞬動術 Master


  



 あれから20年経ったが、神様達のスパルタ教育の賜物で、俺は以前よりもグッと強くなった。

 採取も捗り、アイテムボックスの中身は凄い事になっている。


 農業も大規模になり、自分でも総面積が分からないほど広がってしまった。

 林檎の木は20メートルを超える巨木となってしまった。

 その内、顔でも出来て林檎で攻撃してきたりしないだろうか?と、その成長率にビクビクしているのだった。

 

 【黄金の林檎アムブロシアー】「レアリティ SLGスーパーレジェンド 」

 不老不死の魔力を宿す神々の食物。イズンの林檎、ヘスペリデスの園にある黄金の林檎、不和の林檎等、色々な呼び名で呼ばれる。

 これを食した者は不老不死になる事が出来る。

 神々の飲み物、ネクタールを作るには欠かす事が出来ない素材。


 完全な黄金の林檎が木に生った。

 神達に指導を受けて、丹精込めて育てた林檎の木は遂に俺の夢の実を付けたのだ。

 不老不死は誰もが夢見て追い求めたが、遂に手に入れる事無く終わった夢の形だ。


 だが、一個手に入れたからと安心してはいけないのだ。ティアマトからもアドバイスを貰ったが、それならば何故、林檎を食していた神が死んだのか?

 答えは簡単だ。神同士ならば互いに不老不死が当然なのだ。

 ならば、相手を殺す術も当然生まれてくるのが普通である。


 「ケイ、確かに不老不死にはなれるけど、神族や魔族には不老や不死を破壊する力を持った者もいるわ。林檎の魔力も無限では無いのよ?だから、幾つ蓄えても損はしないから、安心して気を抜かずに集め続けなさい。それに、愛する存在が出来れば与える分も必要になってくるでしょう?」


 確かにそうだ。そもそも、これ以上無いなんて一度でも妥協すれば終わりだ。

 俺はもっと貪欲になって積み上げ続けなければならない!それこそギルガメッシュの如き圧倒的な栄華すら霞む程の富を蓄えてみせる。




 

 「さて、ケイよ!我と妻とで水が何たるかをお前に教えてやろう」

 「水?生きる為に無くてはならない物、エイチツーオー....とか?」

 「もっと簡単に捉えよ。水とは全ての源、原初の海には生命力が満ち溢れ、全ての可能性が有ったのだ。」


 知識的な事じゃなく、感覚的な事かな?

 「水は、毒にも薬にもなる。それは色々な素材と組み合わせて薬品を作る者なら、誰もが理解しているが、理解していない事だ」 

 「貴方達が思っているよりも、水は遥かに偉大であり、何物にも姿を変える力を秘めているわ」


 すり鉢でゴリゴリと擦り潰した大量の薬草を、鍋に入れて成分を煮出す作業を行いながら。ティアマトとアスプーに指導を受ける。


 「理解しているが故に見えなくなる事も有るという事だ。難しく考えなくて良い、もう少し適当にな」

 「例えばコレよ。このフラスコに入った水を見てくれるかしら?」


 【精製水】「レアリティ UCアンコモン 」

 不純物を取り除いた水。素材の成分が溶け易く、薬品を作るのに向いている。


 「薬品用に作った水だね。何かおかしいかな?」

 「じゃあ、もう一度見てくれるかしら?」


 手に持ったフラスコの中に入っている水が、ティアマトの手から漏れる、青い光に反応して透明色から濃い青色に変わった。


 【超魔力水(精製済)】「レアリティ LGレジェンド」

 精製水に高濃度の魔力を限界まで混ぜ込んだ水。

 様々な効果を大幅に強化する、魔力水は高位のアイテムクリエイションには欠かせない。


 「今のは大体MPを600000程混ぜ込んだわ、感覚は自分で魔力を注ぐ練習をして掴むのよ?」

 「成る程、何処にでもある物に少し手を加えるだけじゃ駄目って事か!」

 「こんな事出来る人は限られているし、同じ水でも取れた場所や状況で格段に品質が変わってくるのよ?水を疎かにしては良いアイテムは作れないわ」


 600000って馬鹿げた数字聞かされると流石に引く....ティアマト様ってばマジゴッド!

 ちょっとだけ真似してみるもんね


 むむむむ.....白い魔力か、10000...20000...30000...50000!


 【魔力水(精製済)】「レアリティ HRハイレア 」

 精製水に濃度の高い魔力を混ぜ込んだ水。

 様々な効果を強化する、魔力水は高位のアイテムクリエイションに欠かせない。


 出来るじゃん!ちょっと疲れたけど、俺にも出来るぞ!


 「上出来だな。訓練すれば良い水を作り出す事が出来るようになるだろう」

 「あら、そういえばMPの限界値がレベルに対して低い気がするのだけれど?」

 「むう、もしやとは思うが....ケイよ。上限を上げる方法は知っているか?」


 何それ?そんな事出来るとか初耳なんだけれど?教えてマイゴッド!

 

 「始めて聞きましたよ?何ですかそのウルテクは!?」


 「魔力の超回復ね。最大値が低い内は余り意味が無いのだけど、使った魔力が多ければ多いほど、回復した後に強い力を手に入れる事が出来るわ。寝る前には全部のMPを使い切ると良いわよ?」

 「成る程、魔力使い過ぎると疲れるんで、全部使い切るとかした事が無かったですね」

 


 言われてみれば、転生チートものでは定番の内容かもしれない。迂闊であった。

 今晩から早速試してみよう。今まで毎日やっていたら今頃どうなっていただろうか?

 後悔先に立たずなのだ。それに、俺には無限の時間があるんだから20年位誤差である。





 「「ではこれより、我らが恵みを与えた大地に生まれし作物を、たっぷりと収穫しようではないか!」」

 「おう!大地の恵みに感謝して頂くぜ!」


 ラフム・ラハムコンビと共に採取作業を開始する。

 おりゃあああああ!!!と気合を入れて採取を始めたが、さっそく邪魔が入った。


 「ギョアア!!」


 伸びてくる触腕を回避して、鎌を一線する。キィン!と金属同士が接触したような音がした。


 【ブレードマンイーター】LV13795 

 

 HP 27590/27590 MP 6200/6200


 食人植物が上位存在へと進化した個体。ムチの様にしなる触腕が鋭い刃に成っている。

 その硬度は鉄よりも更に硬く、柔軟な動きをする為、攻撃には注意を払って対処する必要がある。

 神の加護を受けた土壌から、豊富な栄養素と大地のマナを吸収しているので、かなり強化された個体と成っている。

 

 むむむ、やるでは無いか!草は大人しく収穫されるが良いのだ!

 必殺!二鎌流奥義!蟷螂剣舞なのだ!シャシャシャシャシャー!!!!!!


 敵の刃を回避して、胴体を何度も切りつける。硬い皮に覆われていたが、苦労して作り上げたこの草刈鎌ならば止められる事は無い...はず!

 

 【双子鎌 干将・莫耶】「レアリティ SRスーパーレア 」

 大地の結晶を組み込んだ、自己再生能力付きの鋼鉄製の双子鎌。

 大地の魔力との親和性が高く。土属性の魔力を込める程に強度と切れ味が増す。

 MPを10000以上込めると高周波振動の魔力刃が形成される。


 惜しみ無く注いだMPによりヴァイブロブレードと化した双子鎌が、スパスパと触腕を切り飛ばして胴体を両断した。

 .....が、切断面から再生して二匹に増えた。

 何という生命力!何という根性!だが俺とて負けるわけにはいかない!


 チートアイテム降臨!これが農業スキルと錬金術スキルを駆使して作り上げた、対植物抹殺兵器の最終進化形だぜ!

 

 【EX除草剤 Ver.5(アルティメットエディション)】

 目標を駆逐する為だけに生まれた植物根絶兵器。

 噴きかけられた対象は5秒以内に枯れ草へとクラスチェンジ! 「お前はもう枯れている」

 土のマナを食い散らかすように改造された、マナ喰い人工精霊をシュシューッと噴射するスプレー。


 これを完成させるのに1ヶ月も試行錯誤したのだ。

 アンシャル、キシャルが、天地の理がうんたらかんたら言ってるのを聞いて閃いた傑作だ。

 プシューっとスプレーすると、あっという間に緑の皮が黒ずんでシオシオと枯れていく。


 「うっしゃー!止めだぜ!!」


 スパスパスパーンと切り刻んでバラバラにしてやった。

 こいつらは後で肥料に変換してやろうと思う。


 米も品種改良して、おいしい米を作り上げた。

 魔改造して、大木のような米を作り、一粒がオニギリサイズというファンタスティックな巨米まで創造してしまったぜ!しかも、とても美味しいのだ!握らなくても良いという(笑)

 調子に乗って採取作業を継続していったが、畑を一通り採取するのに3人がかりで2週間かかった。

 しかも、採取している間に、新たな新芽が生え始めているというこの成長力は侮りがたし。



 「「では、今回はケイに試練を課し、見事合格すれば天神と地神の加護を授けよう」」

 「マジで?超欲しい!全力で試練をクリアしてやるぜ!」


「「こいつ等を見事倒してみよ!」」

 

 【ホーリードラゴン】LV 62750 【ダークドラゴン】LV 63241


 へ?まぁ、こっちは不死身なんだけどこのタッグは不味くない?

 「って!うぁああああああ!!!!」


 白く輝くブレスと黒く淀んだブレスが俺の方に伸びてくる。

 

 「くっそぉ!【氷の城アイスキャッスル】【暴風の鎖サイクロンチェーン】これでどうよ!?」

 

 氷の城が現れてブレスを受け止める、同時に暴風で編まれた鎖が2匹のドラゴンを拘束する。

 拘束を振りほどこうともがく2匹のドラゴンだが、風の刃に身を切り裂かれて鮮血を散らす。


 「まだまだ行くぜ!【炎の嵐フレイムストーム】【雷の槌トールハンマー】」

 

 炎の嵐が視界を埋め尽くし、傷口を焼く痛みにドラゴン達が咆哮を上げる。

 ビリビリと体を走る咆哮による衝撃とプレッシャーが動きを鈍らせるが、すでに魔法は展開済みだ。天駆で上空に昇ると巨大な雷の槌を落とす。


 「「GYAOOOOOOOO!!」」


 「これで止めだ!【重力の牢獄グラビィティープリズン】」


 急激に重くなった自重を支えきれなくなった二匹のドラゴンが地に伏せる。

 メキメキと重力に押し付けられて体が大地に沈んでいく。


 「「それまで!うむ、素晴らしい戦いを見せてもらった。二属性の複合魔法とタイミングの良い魔法のコンビネーションでドラゴンを圧倒するとは恐れ入った。この二匹も頭を垂れておるわ」」


 テイム可能なモンスターがいます。 テイムしますか?


 「マジか!ありがたく仲間になって貰おうじゃないか!」


 ホーリードラゴンとダークドラゴンをテイムしました。

 こうして順調に仲間を増やしながら力を積み重ねていく時間は何物にも変えがたい。

 

 【天神の加護】を得ました。 【地神の加護】を得ました。

 

 でも、これで満足してはいけない!俺が目指すのは遥か高みなのだから。

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