第18話


僕は残された1ヶ月で

お世話になった人たち、伝えたい言葉を

手紙にしたりノートにかいたりとにかく文字にした。


もちろん、ゆなへのおもいがいちばん大きく強くあった。

でも、ゆなへの手紙の量は少なかった。


伝えなきゃいけないことだけにしないと、ゆなが悲しむかもしれない。そう思った。


毎日なにかを書く。

徐々に震えで書けなくなる字。


なんとか書き終えた手紙たちをみるとなんだか涙が込み上げてきた。


それから1週間たって僕は布団から動けなくなった。


ーピーンポーン

家のチャイムがなった。

「あら。ゆなちゃん、どうしたの?」

「ひろとが病気って本当ですか?」

「知っちゃったのね…」

「何で教えてくれなかったんですか!」

「ひろとに止められてゆなちゃんのお母さんにお願いしたの。学校にいきたくないだけだってことにしてって。」

「早く知りたかった…ひろとはどこですか?」

「今は会わない方がいいわ。きっとゆなちやんびっくりする。」

「なんでですか??」

「あの子、痩せ細って前のあの子とはまったく違う人のようなの。」

「でも、ひろとはひろとですよ。」

そういうと、そっと、寝室の戸を開けた。

僕はゆなに背中を向けたままだった。

「ひろと?」

僕は蚊の泣くような声で返事をした。

「ゆ、ゆな?」

すると、ゆなが泣き出すのがわかった。

きっと、ゆなをお母さんがリビングに連れ戻してくれたのだろう。遠い向こうでゆながないてるのがわかる。


ごめんね、ゆな。







一時するとゆなは僕の元へやって来た。

「ひろと、私ねひろとがいてくれて、ひろとに出会えて本当に幸せだったよ。ひろとがいてくれたから高校生活楽しかったし今もとっても楽しいしそれにね…それに…」

ゆなは泣き出す。

それをみて僕の目からも一筋の涙がこぼれた。

「ゆな、それ言ったら死んじゃったみたいじゃん」

「そ、そんなことない。だから、これからも、ひ、ひろととたくさん思いで作って、ね、」

ゆなの涙は止まらなかった。


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