第7話 初めての町に入ります?
さてさて、そろそろ町へ向かいたいと思うのですよ。案内の矢印さんはどうなってるかな?
『セノアの町まで約1.7km。徒歩で約35分。』
まだまだ遠いよっううう。でもちゃんと指してくれるようになった。今のうちに行かないとですっううう。
「シノ、どうしたのだ?」
「町まで遠いのです。もう歩けないのです。もうここで生き絶えるしか………がくっ」
「なんだ。そんなことか。我に乗ればいいだろうに。」
う?
「町まで乗せていってやろう。我とシノは一心同体。シノを助けるのは我の役目である。」
ヒョウガがイケメンすぎるっ!イケメンがまぶしいっ!私みたいなモブが近づくなんて烏滸がまし
「お願いします。」
「うむ。任せておくのだ。」
ヒョウガの背中に乗せてもらうのです。
うわぁっ、私は今もふもふに乗ってるのですよ。うわぁうわぁ!気持ちいい~。
「しっかり掴まっておれよ。落ちると痛いぞ?」
「大丈夫絶対離さないです」
もふもふを手放すなんてありえませんよ。
「そうか。速さは抑え目でいくからの。」
「はーい」
町まで1.7kmもありましたがヒョウガのスピードをもってすれば近所の散歩レベルですよ。1分でつきましたよ。まぁ、正確な時間なんてわかりませんけどねっ。というかすごいですよ。森を抜けたら目の前にどーんっと大きい壁が
ピコン
「ヘルプ機能*セノアの町の防護壁:メグリードの森の魔獣への対抗策として100年前に造られた防護壁。守備能力はトリスティア王国トップレベル。過去には竜をも退けたという伝説が。安全は保証されているよ。よかったね。」
なんと!森を抜けたらすぐに町だったのですよ。ついたー!やったー!
「着きましたねヒョウガ。本当にありがとうございます。」
「お役にたててなによりだ。さて、シノよ。町に着いたのだ。入ってみようではないか。」
「わーい。町だー。っとその前に。」
ちょっとヒョウガをつれて森にバックします。
「どうしたのだ?」
「いえいえ実はですね。私、町とか初めてでよくわかりませんが、ヒョウガってこのまま町に入っていいんですかね?その、………もふもふは、かなり、……………目立つよね?」
「そういうことか。大丈夫だ。シノ。少し離れておれ。」
ヒョウガに言われたとおりに離れる。
「離れたな。ではいくぞ。『変幻』」
ヒョウガのまわりが冷たい霧に包まれた。これは魔法?『変幻』ということは……そういうことだよね?
霧が晴れると、そこにいたのは……
「ふむ。これならいいだろう。」
「なっなんなっななななんあなな」
「シノ。落ち着くのだ。何をそんなに取り乱しておる?」
「いやいやいやいや。だってこれは予想外過ぎるでしょ!?」
「何がだ?」
「100歩譲って人になれるのはいいよ。軽く予想できたしね。わー凄いね魔法だねって感じだよ?」
「なら良いではないか。」
「良くないよっ」
「何がダメなのだ?上手く変幻出来ていると思うのだが?」
「とっても上手だけど………
ヒョウガがショタだなんて聞いてないいいいいいっ!」
イケメンもふもふヒョウガ様がまさかの可愛いショタだなんて。10歳くらい?小学生?えっ、私、この子もふもふしてたの………?
いぇすロリいぇすショタのーたっちっ
ぃやああああ
「………これではダメなのか?では我はシノと共に行けぬのか?」
ショタが落ち込んでる精神的ダメージが~。
「えっと、ヒョウガってまだ子どもだったのかな?」
さっきまで見上げてたヒョウガの顔が下にある。ぎゅってしたらヒョウガの頭に私の顎がのる感じ?
「む?我は確かにシルバーウルフの中では若輩者である。しかし、我が種族の寿命はおよそ5000年。我も既に400年ほど生きているのである。」
えっとつまり、種族的に子どもでも相対的にみたら子どもではないってことかな?
私、もふもふしてもいいってことかな?
いいよね?いいよね?
「おっけー。理解しましたよ。ヒョウガはショタはショタでも大丈夫なショタだから。一緒に行こうね。」
「うむ。よくわからんが。一緒に行けるなら良いのである。ふむ。では行くぞ。」
おお、お耳と尻尾がパタパタと。ヒョウガが可愛いすぎて幸せです。
さてさて先程見た防護壁まで戻ってきましたよ。現在、私はヒョウガとおててを繋いで歩いておりますよ。見た目10歳のヒョウガと並ぶと私、お姉ちゃんに見えちゃいますね。きゃっ!末っ子にお姉ちゃんは憧れですよ。
防護壁のまわりを歩いていると門のようなものが見えました。ここから入るんですかね 。入り口には衛兵さん?が立ってます。
「こんにちはー♪」
「こんにちはー。」
「っ………こんにちは。」
ん?衛兵さんがこっちを訝しげに物凄く見てきます。なんですか。うちのもふもふショタは渡しませんよっ!
ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ
「…………シノ。いたい。」
「わぁっごめんごめん。」
すぐに離しましたよ。ヒョウガの尻尾とお耳がもふもふです。幸せ~。なでなで。
「君たち、どういう関係かな?」
ん?
「ちょっと一緒に詰め所に来てもらえるかな?」
ん?ん?
ピコン
「ヘルプ機能*獣人:隣国、グランディア共和国の主要人種。様々な種族がおり、種族ごとにコミュニティをつくっている。私たちの世界の州制度のようなもの。獣人を差別的に捉える地域も少なくない。トリスティア王国では差別はないよー。側妃様が兎の獣人だからね。今回、門で止められちゃったのは、ヒョウガが獣人に見えたのと、シノと全然似てないから犯罪に巻き込まれたのかと思われたんだよ。ほら、この世界の治安は日本より悪いからさ。誘拐とがいろいろとね。まぁ、どんまい。」
どんまい。
じゃない~っ!!
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