色々な色 ⑥あざとイエロー♪
色の雑学を紹介してきた今回のシリーズ。
前々回、そして前回は、高貴な色と言われる紫を取り上げました。
今回のサブタイになった黄色も、歴史上、権威の象徴とされてきた色です。
とは言え、日本人の我々には、しっくり来ない話かも知れません。
どちらかと言えば、黄色は可愛らしさや子供っぽさを感じさせる色です。
女の子向けの雑貨や服には、水色やピンクと並んで黄色が採用されています。プーさんにピカチュウ、近年ではふなっしーと、黄色いキャラは長年ちびっ子たちに愛されてきました。
戦隊シリーズでも、黄色は女性メンバーに割り振られることが多い色です。ただしニンニン、ジュウオウ、キュウレンジャーと、ここ数年は連続して男性が担当しています。
同じくニチアサで放映しているプリキュアでも、黄色にはロリであざといメンバーが揃っています。作者がこよなく愛するミューズも、「あざとイエロー」なプリキュアです。いい歳してS.H.Figuarts買っちゃったもの。
キュアミューズはシリーズ第8作「スイートプリキュア♪」に登場したプリキュアで、本名を
決めゼリフは「
渾身の悪ふざけはここまでにして、本題に戻ります。
キュアミューズの代名詞である黄色にはまた、花の色と言う側面もあります。
ヒマワリ、キク、タンポポと、街には黄色い花が溢れかえっています。黄色に女の子っぽいイメージがあるのも、花々に多用されているからかも知れません。
以前紹介した薔薇にも、黄色い品種が多数存在します。今でこそ普通に見掛ける黄色い薔薇ですが、誕生までには多くの苦労があったと言います。
以前紹介したように、薔薇には「オールドローズ」と「モダンローズ」があります。
薔薇には複数の品種があり、それぞれ「ハイブリッド・ティー」、「フロリバンダ」と言った系統に分類されています。
モダンローズとは1867年以降に誕生した系統のことで、
ではなぜ、1867年がターニングポイントになっているのでしょうか。
残念ながら今回はミューズに尺を
モダンローズの中で一番最初に誕生した系統は、先に名前を出したハイブリッド・ティーです。しかし当初、この系統には黄色い薔薇が存在しませんでした。
現代の薔薇に黄色い色をもたらしたのは、フランスの
彼は「ロサ・フォエティダ」とオールドローズの「アントワーヌ・デュシェ」を掛け合わせ、黄色い薔薇を作ることに着手します。ロサ・フォエティダは西アジアに生える野生の薔薇で、黄色い花を咲かせる特徴がありました。
ロサ・フォエティダは種を作る能力が低く、品種改良には十数年の歳月を要したと言います。
しかし1900年、デュシェはついに新しい品種を完成させます。
苦心の末に誕生した薔薇は、「ソレイユ・ドール」と名付けられました。
「ソレイユ・ドール」とは、フランス語で「黄金の太陽」を意味します。
ただし、ソレイユ・ドールの花は、黄色ではなくオレンジ色です。また1900年に誕生した薔薇ですが、分類上はオールドローズに含まれます。
ソレイユ・ドールの親は、オールドローズと野生の薔薇です。
1867年以降に作られた品種でも、モダンローズの使われていない薔薇はオールドローズに分類されます。仮に現在、二つのオールドローズから新しい品種を作っても、モダンローズとは呼ばれないのです。
とは言え、デュシェの偉大さに変わりはありません。
1900年以降、ソレイユ・ドールは様々な品種と掛け合わされました。現在栽培されている黄色いモダンローズは、例外なくソレイユ・ドールの子孫です。
長くなったので、今回はここまで。
黄色が権威の象徴である理由は、最終回をお待ち下さい。
参考資料:別冊NHK趣味の園芸
バラ大百科 選ぶ、育てる、咲かせる
上田善弘、河合伸志監修 日本放送出版協会刊
色彩心理のすべてがわかる本
山脇恵子著 ナツメ社刊
色の知識 ――名画の色・歴史の色・国の色――
城一夫著 青幻舎刊
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