色々な色 ①大統領を決めた色
『
鮮やかな色彩は
詳しい説明は、『
何も
劇中ではタマムシの名前を
古代から色は、人類の生活に関わって来ました。
フランスのラスコー洞窟には、動物の壁画が残されています。作者は
遥か古代に描かれたウシやウマには、既に赤や茶、黄色と言った
現代でも色は、大きな影響力を持っています。
どんなに
また商品にカラーバリエーションを持たせることは、最もポピュラーな販売戦略です。家具や家電を買う時、性能以上に色を重視する方も多いのではないでしょうか。
時に色は日常生活だけでなく、歴史にも影響を及ぼしてきました。
特に1960年のアメリカ大統領選において、色は重要な役割を果たします。
同年の9月26日、大統領候補のリチャード・ニクソンとジョン・F・ケネディは討論会を行いました。
この討論会は、テレビで放送されたことでも有名です。今でこそ大統領選の候補者がテレビで討論するのは当たり前ですが、当時としては初の試みでした。
当時、既にカラーテレビは開発されていましたが、普及率は高くありませんでした。そのため、有権者の大多数が、白黒の映像で討論会を視聴したと言います。
グレーのスーツを着たニクソンは、見事に背景と溶け合ってしまいました。しかも、彼は体調不良から回復したばかりで、顔色もよくありませんでした。結果、ニクソンは視聴していた有権者に、弱々しい印象を与えてしまいます。
対して濃い色のスーツを着たケネディは、白黒の映像でも埋もれることがありませんでした。むしろ有権者に力強い印象を与え、多くの支持を勝ち取ることに成功します。
ちなみにこの時、
テレビで二人の対決を観た人々は、討論はケネディの勝ちだと判断しました。
逆にラジオで討論を聞いた有権者には、ニクソンの勝ちと考える声が多かったと言います。純粋に討論の内容だけを比べるなら、ニクソンのほうが優れていたのかも知れません。
1960年11月8日に行われた大統領選挙で、ケネディはニクソンを破り、第35代アメリカ大統領に就任します。
一方で多くの専門家が、無関係ではないと考えているのもまた事実です。
前置きが長くなりましたが、今回のシリーズでは色に関する色々な話を取り上げていきたいと思います。
「色」と聞いた時、多くの人はまず赤を思い浮かべるのではないでしょうか。
赤は色の主役と言っても、過言ではない存在です。
大半の服やインテリア用品には、赤いカラーバリエーションが用意されています。作者の大好きな特撮でも、主役を張るのは赤いヒーローです。
以前紹介したように、ルビーとサファイアは同じ鉱物です。
しかしルビーと呼ばれるのは赤い石だけで、それ以外の色はサファイアに分類されます。「イエロー」ダイヤモンドや「ピンク」サファイアはありますが、「ブルー」ルビーは存在しません。
詳しくは『
(https://kakuyomu.jp/works/1177354054881358290/episodes/1177354054881818755)
赤は炎の色でもあり、熱情や活力、力強さを感じさせます。目にするだけで気分を
このように熱いイメージのある赤ですが、実際のところ、赤い炎は低温の部類に入ります。さそり座のアンタレス、オリオン座のベテルギウスと言った赤い星も同様で、表面温度は太陽以下です。詳細は本編で解説していますので、宜しければご覧下さい。
赤はまた、各国の国旗にも多く使われています。
中国やトルコのように真っ赤な国旗から、日本やドイツのように一部が赤いものまで、例を出していったらキリがありません。恐らく、赤の使われていない国旗を探すほうが難しいでしょう。
事実、赤は国旗に一番多く使われている色で、150ヵ国近くに採用されています。ちなみに二位は白で、三位は青、以下、緑、黄色と続きます。
アメリカ国旗の赤い
国旗の赤が、血の色であることは珍しくありません。
現にスペインやケニアの国旗でも、赤は血の色を表しています。
赤い旗には、社会主義の象徴と言う側面もあります。
中国や北朝鮮と言った社会主義国家は、
元々、赤い旗は、フランス革命の際に市民が
フランス革命は、18世紀末、フランスで起きた革命運動です。旧態依然とした体制に不満を抱いた市民が、国王ルイ16世に戦いを挑みました。
民衆がバスティーユ牢獄を襲撃した7月14日は、現在、フランスの建国記念日に制定されています。バスティーユ牢獄は当時パリにあった刑務所で、多くの政治犯が収容されていました。
国王との戦いに使われて以降、赤い旗は特権階級との戦いを象徴するものになりました。社会主義国家の場合は、格差や資本主義との戦いに
長くなったので、今回はここまで。
次回は人知れず人間の命を救っている、お役立ち生物を紹介します。
参考資料:色彩心理のすべてがわかる本
山脇恵子著 ナツメ社刊
色の知識 ――名画の色・歴史の色・国の色――
城一夫著 青幻舎刊
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