もう1度井戸水で汗を流し、試練を受けるために、２人で父さんの待つ所に向かう。

勇者認定の試練･･･といっても、単純なものだ。

勇者になるためには、２通りの方法がある。

一つ目は、凶悪な魔物の討伐や極悪人の捕縛など、世界に貢献した者が「光の神」によって「勇者」のチカラを与えられる。

二つ目は、勇者が認めた者を、勇者のチカラによって呼び出した「光の神」が召喚する聖獣と闘い打ち勝つことで勇者のチカラを授かる。

つまりこの中の、二つ目の方法で勇者になる訳だ。

･･･ちなみに、魔族である僕は勇者になれない。ただ、カーリンの試練を手伝うことはできる。

兄妹のように育てられて、それこそケンカは多かったけど、でも、大事な家族だ。

この試練では、下手をすると挑戦者は死ぬこともあると父さんが言っていた。

カーリンを信じていない訳ではないけど、手助けになるなら試練を一緒に受けたいと思ったのだ。

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