勇者娘との(非)日常・2

朝日の中に立つ、二人の影。

それが揺らいだかと思うと、影は一瞬で間合いを詰めてぶつかり合う。


息を継ぐ間もなく蹴りと拳が交差し、目にも留まらぬ早業を互いに繰り出す。


流石は勇者に育てられし者たち、まだ16歳の少年少女だが、そのチカラはとてつもなく強大であった。


(ガッ) (パシッ)


「流石だ、カーリン!・・・やるじゃないか!」


「そっちこそよ、フィク!・・・やっぱり強い!」



掌で拳を互いに受け止め、均衡する強きチカラを感じると、2人は互いに握手を交わす。



「あー、せっかく水を浴びたのに、汗をかいちゃったよ・・・」


「しょうがないでしょ、あんなに暴れたらこうもなるよ!」


「まったくだよ・・・誰のせいかは知らないけど!」


「・・・ごめんね?」


「・・・許す!」



2人は、ケンカするほど仲が良かった。

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