始まり・2

むかし、僕がまだ赤ん坊だった頃、僕は魔狼の巣に捨てられていたらしい。

そして危うく魔狼のご飯になるところを、ちょうど魔狼討伐の依頼を受けていた勇者オトロスに救われた。

さらに幸運なことに、勇者オトロスは彼の妻と当時赤ん坊だった彼の娘と一緒に、捨て子の僕を家族として育ててくれた。


2人の子供を育てるために、勇者オトロスは旅をやめて山奥の小さな村に移り住んだ。

そして、僕と彼の娘カーリンは、勇者の子として修行を続けてきたのだ。


そしてあれから16年が経つ今日。

カーリンが、勇者として認められるための試練を受ける・・・!


「よし・・・夢なんか気にしている場合じゃない!修行の成果を存分に発揮して、父さんたちの期待に応えなくちゃ!」


昔を振り返って気を引き締め、持ち上げたままだった桶を置こうとしたその時!


(ヒュッ!!)

(ゴッ!!)


「ぐはっ!」


なにかが僕の頭に激突した!

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