第三章 退屈なので0から世界を作ります
俺は再びスキル妄想を使い、美少女の胸へとダイブする。
今度も巨乳だ。おお、いいぞこの感触はたまらない。
俺は暫く胸の感触を楽しむ。しかし妙だなエルミスのように怒ってもよさそうだが。
俺は胸から顔を離し状況を確認すると、真っ黒いローブを羽織りとんがり帽子をつけた魔道士がそこにはいた。
「あらいきなり胸の中に飛び込んできた人間がいましたので、暫くそのままにしておいたんですが」
「えっと……名前は?」
「私は魔道士メアリーといいます。ああ魔道士は名字では無く職業ですよ」
「言われなくても分かっている。それよりこの世界に魔王はもういないのに魔道士をやっているのか」
「そうなんですよ、魔王が倒されてしまったことにより、世界は平和で安寧を手にしてしまったわけです。でもそれってつまらないと思いませんか」
「確かに退屈だな」
「ですからこうやって退屈な日々を過ごしているのです」
何かしてはいけないことをしてしまった気分だ。
魔王退治なんてしなければ良かったな、全てはエルミスのせいだ。
何か解決策でも探すべきか、しかし何をどうすれば面白くなるんだ。
「実は俺が魔王を倒した、妄想の力でな。だから俺に責任がある。何か退屈しないアイデアは存在しないか?」
「貴方が魔王をお倒しになられたのですか、では貴方が勇者なんですね。お名前は?」
「幻想ハジメだ」
「ハジメさんですか。そうですね~名前に因んでその妄想の力で0から貴方が世界を作るというのはどうですか。そうすれば面白いでしょうきっと」
「それは妙案だな。早速作るとするか」
「では完成したら是非ご報告ください。楽しみにしています」
0から世界を作るか、悪くはない。だがいくらスキル妄想でも正確無比に作るのは難しいぞ。
でも面白そうだ、よし早速始めよう。
先ずは魔王城から作るとするか。
俺は先ずは妄想で魔王城へと飛ぶ。この魔王城を改築しよう。
暗黒城から魔王城へと名称も変更しよう。
かっこいいのがいいな。しかしなかなか想像できない。
ここは何か資料が必要だ。メアリーに頼むか。
妄想で再びメアリーのおっぱいの中へと飛ぶ。
おっぱいの感触がとてもいい。ハーレムを作るのも悪くない気がしてきたな。
まあ今は世界を作ることに専念するが。
「あらハジメさんではありませんか? 世界は作られたんですか、まだ魔王は出現していないようですが」
「メアリーに折り入って頼みたいことが有る。俺と世界を作らないか?」
「ええいいんですか、丁度暇を持て余していまして、退屈だったんです」
「よし、二人で早速作っていこうこの世界を」
「はい」
0から世界を作ることになった。勇者でありながら魔王になる目的で。
よし先ずはこの世界をリセットしよう。俺とメアリー以外の全ての存在を消去する妄想をする。
よしこれで真っ白な空間一つになったぞ。これを拡張していき作っていこう。
「先ず何から作りたいメアリーは?」
「そうですね、私は二次元が好きなのでRPGのようなファンタジー世界がいいですね」
「二次元? RPG? 何だそれは」
「知らないのですか。誰かが考えた空想の産物ですよ。勇者が仲間と共に苦労して魔王を倒したりするんです」
「苦労してか、なら魔王が勇者に簡単に倒されるシナリオは駄目だな」
「そうですね。先ずは大雑把なシナリオを考えましょう。主人公は誰にします?」
「主人公は女魔道士がいい。魔王は超絶美少女。」
「いい感じですね。では次は世界観を作りましょう」
俺は早速メアリーとブレーンストーミングをしてこの世界を0から作っていく。
大陸を作ろう。妄想をして、退屈な世界から脱却する。
その後も色々案を出し合い、世界を構築していく。
そして念願の世界が完成する時がやってきた。
世界作製に数年を費やしてしまった。しかし出来た、遂に完成した。
「遂に完成しましたね。私達は読者、プレイヤー視点で物語を傍観して楽しみましょう」
「ああ、エンディングが楽しみだ」
何を隠そう俺達が作ったこの世界は、俺が妄想で作り出したものが全部ではない。
シナリオとキャラメイクは全て俺がスキル妄想で作り上げたAIによって作られている。
つまり言い換えれば俺とメアリーはシナリオの結末を知らない。それどころか物語がどう始まるかも分からないのだ。
ああ凄く楽しみだ。
さてこれを読んでくれている読者よ。
俺が魔王を退治してつまらないだろう。
だから俺がこの世界を0から作り直した。
是非ともこの世界を堪能していって欲しい。
新たな主人公とヒロイン達の物語を。
俺とメアリーが作り上げたこの世界を。
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