世界を救う英雄の前の話1-1
目が覚めた少年は辺りを見渡した。広い草原、青い空、遠くには城のような建物が見える。
「ここはどこなんだ?」
少年は訳も分からず、とりあえず城の方へ歩き出した。
少年―橋下夕輝はさっきまで学校に行くまでの川の畔で寝ていたのだ。うとうとして眠りつくと起きたら川は無く、枕にしていた鞄も無くなっている。あるのは見慣れない景色と遠くに城のような建物が見えるだけだった。
夕輝は建物方を目指して歩いてるが気づいたことがあった。それは建物が遠いと言うことだ。多分走っても今日中には着けないと思った夕輝はひとまず休憩をした。
一日で無理ならこまめに休憩しないとバテてしまう。風があるからまだ気持ちいいが吹いてないとこの暑さに体力を奪われるほど空は晴れている。
夕輝は地面にあぐらを組んで座りながらあることを考えていた。
「今日の晩御飯どうしよ」
見渡すと草、草、草、の森があるだけで動物が見えない。見えたとしても狩れるかどうかは置いといて。
「あ、水も無いし、夜どうしよ。火がいるからまずは枯れ木集めからか」
思い立ったら即行動の夕輝は走って森に入って行った。
枯れ木集めから早一時間。結構な量を集めたのはいいが火を着ける方法が無く悩んでいる。
「確か、原始人が木と木を擦って火を着けてたな」
思い立ったら即行動。
・・・・・・
火は着かないし、木は削れない。思いの外この着け方は難しいぞ。よし、食べ物だ。後、川を探そう。
森をさまよいながら川を探すが中々見つからなかった。奥まで進んでしまい引き返せない。
「戻っても何も無いし、もう進もう」
夕輝は戻らず先に進んでいった。
どれだけ進んだだろう。もう空は暗く夜に変わっていく。歩き疲れた夕輝は眠くなってきたが、空腹のせいで寝れない。何でも食べれたらそれでいいからここに来ねーかな。
気づいたら眠っていた。空は明るくなりはじめ、夜から朝に変わっていった。
「夢、じゃねーのか」
夕輝は今置かれてる状況を思い出し、また歩き出す。
「あー、お腹空いて、疲れたー。動物か木の実ねーかな」
ふと、夕輝は伸びをして上を見ると木の上に赤い物が見えた。
夕輝は目をぱちくりさせて、目をごしごしして、目を見開き二度見した。
夕輝の目には確かに赤い物が見える。
ただ、とてもじゃないが登れない高さにあった。
「どーやってとるかな」
夕輝の頭の中にはもうあれをとること以外考えていない。木に手を置いて考える。
「この木をこうスパッ!って横に『斬れ』たら楽何だけどなぁ」
夕輝がそう言いながら考えてるとスパーンと斬れる音がしたと同時に手を置いていた木が横に倒れた。
「・・・」
夕輝はえ?と首を傾げた。
倒れた木の断面は綺麗に横に斬れている。何で斬ったらこうなるのか分からない。
夕輝は倒れた木を見て転がっている赤い実を取りに行き、食べながらまた歩き始めた。
「ビックリした~、何が起きたんだ?」
首を傾げて歩き続ける。
美味しいと呟いた。
【木の実1つgetしたがすぐに食べた夕輝】
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