失恋少年
僕には好きな人がいる。
同じ歳だけどクラスは違うくて、委員会で一緒になったのが出会いだった。
委員会のことで話す機会が増えて、そこからいろんな話をして、友達になり、仲良くなった。
彼女の少しのことで笑う所や少しドジな所、知れば知るほど僕の中に彼女が募っていた。
気づけば僕は彼女のことが好きになっていた。でもヘタレな僕は告白する勇気もなく、ずっと今みたいな関係が続けばいい…と逃げていた。
そんな時だった。彼女の口から彼氏の話が出たのは。
仲良くなりすぎたおかげで彼女の愚痴や悩みを聞くことは増え、彼氏が居ることも知った。
好きな人の好きな人。頭では分かっているのに嫉妬が抑えられない。僕は必死に仮面を被り彼女の相談を聞いたりしていた。
僕には告白する資格も無かったのだ。
彼女の彼氏が羨ましかった。僕は不意に「告白するばよかった」と呟いてしまった。
彼女はその言葉を聞き逃さず、キラキラした目で「好きな人いるんですか?」と聞いてきた。
しまったーと僕は心の中で思いながら言ってしまったものは仕方なく、素直に話した。
深々と聞く彼女は僕の恋ばなを聞いている。好きな人に好きな人の話をするのは色々とおかしいと思った。
聞き終えた彼女は告白すればいいのにと笑顔で言っている。
僕はその場の勢いで彼女に告白した。
だって、もう話したし、いっそフラれた方が清々しいと思ったからだ。
彼女は驚いた顔をしていたが僕の恋ばなと一致したのか真剣な顔をしてこちらを見た。
結果は変わらない。僕はフラれた。
ただ一つ、予想外だったのは彼女が泣いたことだ。
「ごめんなさい」と言った彼女は泣きながら謝っている。
僕は何も言えなかった。
「好きになってくれてありがとう」
最後に笑顔で泣きながら彼女はこう言った。
好きな人からのありがとうがこんなに悲しいものだと僕は知った。
それ以来、彼女と接点は無くなり、無事僕はフラれた。
『ありがとう』は僕に色々を教えてくれた。
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