百鬼夜行

 

  深夜に目が覚めた。

  別に前の日に早く寝たつもりもないのになぜか今日だけは深夜に目が覚めてしまった。

 することもなく僕は天井を見ている。

 眠気も来ないから仕方なく布団から出た。


 暇潰しに外に出てみようと思った。深夜の街はどんなのか、ほんの少しの好奇心があった。

 しばらく歩いてると遠くの方にスゴい行列が並んでいた。いや、よく見ると灯りがチラチラ動いている。大行列を成して歩いているのだ。


 僕はお祭りか何かと思い、走って行列のする方へ走り出していた。

 でも、走っても、走っても、行列に追い付かない。逆に段々遠ざかってる気がしてならない。

 息切れをして立ち止まって呼吸を整える。

 もう一度走ろうと前を向くと異様な形をしたモノが僕の前を通りすぎる。僕は一瞬の出来事で立ち尽くす、それから次々と僕の前を通りすぎていく。それはよく漫画やアニメでみるモノにそっくりで、でもアニメや漫画と違い僕を襲わない。

 それどころか皆お祭りのように騒いでいるようにも見える。僕はその光景を瞬きもせず見いってしまう。だってとても楽しそうに見えたから。

 

 突然、辺りが明るく照らし出される。僕は眩しくて目を思いきり閉じる。光が消えると遠くの空から日の出が出ていた。明るさの正体は太陽だったのだ。

 僕はもう朝かと思うと周りには誰もいなかった。異様な姿をしたモノも元々居なかったように消えている。僕は何がどうなっているんだと思うと急に来た睡魔に勝てずその場で意識を失った。


 目を覚ますとそこはいつもと変わらない僕の部屋だった。あれは夢だったのだろうか

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る