『君がぼくにくれたもの』
山本てつを
第1話 君がぼくにくれたもの
初めて君を好きになったのは、なぜだったろう?
そうだ。
あの美しい指。
白く、細く、なめらかなあの指。
僕はあの指を見て、君を初めて好きになったのだっけ。
そして、君を僕の物にしたいと思った。
次に好きになったのは、美しい脚だった。
すらりと伸びた、長く、少し筋肉質な脚。
神が創られた、芸術品だった。
そして、君を僕の物にしたいと思った。
その次に好きになったのは、大きな瞳。
少し黒目が大きな、愛らしい瞳。
その瞳には、君の未来が、多くの夢と希望が輝いていた。
そして、君を僕の物にしたいと思った。
君を僕の物にできた時、僕はとても嬉しかった。
君は美しかったよ。
僕は最初に好きになった、君の指を僕の物にする為、小指から切り落としたっけ。
君のあんな表情は、初めてみた。
悲鳴をあげる君は美しかったよ。
そして、君を僕の物にしたいと思った。
一気に指を切り落とすのも良かったけれど、僕はもっと楽しい方法を見つけたね。
爪を一枚々々もぎとるのは、楽しかった。
君はいい声で泣いたっけ。
そして、君を僕の物にしたいと思った。
あれから君の身体を少しずつもらったね。
最近は悲鳴をあげることも、泣く事もなくなってしまったけれど。
あぁ、そうか、舌も切り落としたし、眼球も真っ赤に焼けた鉄棒を押し当てたんだっけ。
君は今も美しいよ。
たとえ、もう、人の姿をしていなくても
『君がぼくにくれたもの』 山本てつを @KOUKOUKOU
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます