世界を変える

この人・作品・経験に出会えたのがきっかけです。


成功者のインタビューでよく耳にする言葉である


私も一時期、自分の世界を変えてくれるような作品や経験を得ることを目的に、重たい足を引きずって積極的に外出したり人と関係を持つようにしていたことがあった。


飲みや遊びに誘われたら決して断らなかった。


外食するときは常に言ったことのない店、頼んだことのないメニューを注文した。


週末に開かれている社会人サークルに顔を出したこともあった。


全く知らない演者の舞台や、知らないアーティストのCD、古本屋で適当な本を購入して読んだ。


それまで引きこもっていたときとは比べものにならないほどの経験をしたはずだ。しかし、私の世界は全く変わらなかった。



結局のところ、外部世界が自分の内部世界を根底からひっくり返すことはそうはないのだ。


あくまでトリガーの1つに過ぎないのだ。


その作品や人物によって世界が変わった人は、もともと自分の世界を変えられるだけの素養があったのだ。


そのような下地のない人間がいくら多くの作品や人物に触れても意味はないのだ。やるだけ時間とお金の無駄だ。そんな当たり前のことに気づくのに私は何年もかかってしまった。この間のお金と時間があれば、それこそ自分の内部世界を変えることもできたのではないだろうか。


そのような作品に触れて自身が変わることを希望するのはある意味他力本願なのだ。


根本的には自分に自分の世界を変えるだけの気力がなければいけないのだ。



今の私にはそれがないし、再び得ることも難しいだろう。

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