もう1回
もう一度だけ頑張ってみない?
私はこんな台詞をのたまう人間を信用していない。
当然のことだがこうした言葉を放つ人間が私の人生の責任を取ってくれるわけではないのだ。しかも厄介なことに彼らは自身の経験から挑戦すること、頑張ることのコストは0だと信じている節がある。
頑張りや挑戦しても期待した結果が得られない場合、プラスマイナスゼロではないのだ。明らかにマイナスなのだ。
まず、それに費やした時間はどうやっても取り戻すことは出来ない。そして、何よりも精神面が消費するのだ。何回も挑戦してもうまくいかない場合、「本当に成功するのか」、「これは意味があるのか」という疑念が次第に大きくなってくる。
そしてまた失敗を重ねていく。
残るのは自分に対する不信感・虚無感だけある。
こんなことを繰り返していけばついには自分の力を信じて行動を起こすことができなくなる。自分なりに一生懸命やったつもりが結局自分の可能性を狭めることになってしまうのだ。
私がこんなことを言うと「そこが踏ん張りどころだよ」と有り難いアドバイスを頂戴することになるだろう。
彼らの言うことはいつも正しい。確かにここで踏ん張れば次こそ結果を残せるかも知れない。
しかし、人間には、私には限界があるのだ。
現実としてもう踏ん張れないのだ。
成功した人間はたまたま踏ん張れただけだ。もし、彼らが徒労に終わる挑戦をあと10回繰り返したとき、それでも同じアドバイスをできる人間は果たして何人いるだろうか。
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