第21話 リーラ先生の、イルガード研修

 アマリアからイルガードの成り立ちや活動内容の研修を受けて、お昼の休憩時間になった。

 

 朝、クレアから持たせてもらったお弁当を食べる。

 いつも料理屋ではフェヴィルが料理を作っているが、クレアも料理が上手だ。

 

 私が料理屋で働く前、イルガードの活動でフェヴィルが居ない日は、クレアが料理を作り、近所の友達に接客を手伝ってもらって、店を開いていたらしい。

 

 お弁当を食べ終えて、今後のスケジュールを確認する。

 この後の午後からは、リーラからイルガードの活動詳細についてが研修内容になっている。それが終われば、今日の研修は終了だ。

 そして、明日、明後日は、街での実地研修となっている。

 

「実地研修って何をするんだろう……」

 そう心の中で思っていると、会議室の扉が音を立てて開いた。


「メイルさん、そろそろ始めましょう!」

 リーラがいつものように元気に会議室に入ってくる。

 

「うん。始めようか」

 私がそういうとリーラは前に立ち、ニコっと笑う。

 

「はい。では研修を始めます」

 そういうとリーラは、説明を始めた。

「イルガードでは、多くの団員が活動をしています。午後の研修では、その活動を詳しく説明していきます」

「お願いします」


 そういうとリーラは手に持った資料に目を落とす。

「まず、イルガードには本部を除いて5つの支部があるのは、午前のアマリア先輩の研修でご存知だと思います。そして、各支部では担当するエリアの中に支部の拠点となる場所があり、団員は所属する支部の拠点で活動をします」


 リーラが資料から顔を上げこちらを見るので、私が頷いて理解を示すと再び資料に目を落とした。


「支部での活動は、必ず2人以上で行うことが義務付けられていて、1人で活動することは認められていません。これは、不正を防止するために決められています」

 

 リーラが再びこちらをみるので頷く。


「朝、拠点で活動を開始したら、街に出て担当エリアに異常がないかを確認します。その後は、拠点で作業をしたり、街の民が訪ねてきた場合はその対応にあたります。そして、1日の活動を終えたら、その日の活動をまとめた報告書を本部に提出することが求められます」


「なるほど」

 私は頷きながら告げる。

 

「では次に――ことが決まっています」

 その後も、イルガードの活動についての説明をリーラがしてくれたが、口頭の説明だけでは理解できないということなので、詳細は明日の実地研修で支部に行き説明をしてくれるという事だった。

 

「それでは、私からの研修は以上です。お疲れ様でした」


 そして、初日の研修は無事に終えることができた。

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