第23話エミリーの装備。
僕は悪魔(やくっしー)のお店を後にして、ミキエル達が待つ冒険者ギルドに向かった。
うーん。楽しみだな。魔道具の作り方教えてくれるとは、どんな武器を作ろうかな?
僕は魔道具について考えていると、冒険者ギルドの中が人混みで騒がしかった。そしていつもと違った光景を見た。
なんだよ。この騒ぎは?中にいるのは、ミキエル?、リリィ?そして……、なんでエミリーは巫女衣装を着ているんだ?
僕はメンバー一向(ミキエル達)を見渡した。エミリーの周りを囲むように人混みが出来ている。
「エミリーちゃん!!次はこっちを向いて。」
「いや、こっちを向いて〜。早く〜。」
「巫女さん最高〜♪」
人混みは冒険者みたいだ。みんな巫女さんに萌えている。
おいおい?大丈夫なのか?これは。
ミキエルがこっちに気づいたようで、手を振ってくる。リリィも気づいたようだ。
「はい。はい。それじゃこれでお終い。もう写真会は終了。終了。」
リリィが人混みの冒険者に終了を告げたが、まだ居座っている。
『ズキュン。』
リリィが手にあったライフルを床に撃った。
「お前ら、もう終了って言ってんのよ。撃たれたくなければさっさと帰りなさい。それとも私の炎龍の魂がこもった銃で撃ち抜かれたいの。」
「「「ヒィィ」」」
「わかればよろしい。」
「く、頭のおかしな幼女(ロリっ子)だぜ。お前が巫女衣装着ても萌えねーよ。ばーか……。」
『ズキュン』
「ぎゃーーーーーー。」
「お前ら、許さんぞ。こっちに来い。説教してやる。」
リリィが暴れ出した。ライフルを持って人混みに乱射しようとしている。
「なにやってんだよ。」
僕は受ける予定のクエスト詳細が書いてある紙を丸め、リリィの頭を『ポカっ』と軽く叩く。
「マサルか。褒めなさい。人混みをなくしてやったわよ。大丈夫。人には当たってないから感謝しなさい。」
「そういう問題かよ。てか僕が居ない間なにやってたんだよ。」
ミキエルがすっと僕に近寄って来た。
「私が選んだ衣装(装備)で人が集まって着たのよ。やはりエミリーちゃんは私の見込んだ通りの素材だったわ。」
ミキエルがドヤ顔でこっちを見てくる。その顔がうざったい。
「そう。ポイントは胸。巫女衣装なのに衣装から醸し出してくる存在感。みっともない感じがまた良いの。そして、その美貌。もう素晴らしいわ。」
……。僕も巫女さんは好きな部類だ。だがしかし、肝心の装備はどうしたんだよ。なんで衣装なんか買ってんだよ。
「私のインスピレーション(直感)がそういったのよ。本当だったら、メイド服だけ買う気だったし。」
「おい、ちなみに聞いてもいいか?その隣の袋はなんだ?」
ミキエルは僕の目を見ようとはしてこない。むしろ僕の顔を見ずに横を向き、吹けてない口笛を『ふーふー』と吹いている。
「中身見せろ。」
中身を見たら、これまたイメージ通りのメイド服が中に入って居た。スカートの裾が長くて黒白の定番カラー。王国のメイドさんが着てそうな衣装だ。
「これも買っちゃった。メイド服服もいいのよ。頭のフリフリ、セクシーさを放物させる胸部分、全体的に『ご主人様』の言葉が一番似合いそうな服装。何個あっても足りないわ。今からまた買ってきてもいい?ねえ良いでしょう?」
こいつは……。僕は手で自分の頭を抑え、ミキエルに任せた自分を責める。
エミリーが巫女衣装で僕に近寄ってきた。
「さっきまで大変でしたー。急に人が集まったと思ったら撮影会が始まったのでビックリしてしまいましたー。特に周りの男性たちがじっーと見てくるのですっー。」
白い衣装から見える谷間、特盛である!!それにしてもこれは反則だな。ミキエルの言う通り、素材は一級品だな。巫女衣装良い!!
「なにジロジロ見てるんですかー。死刑にしますよー。」
「ごめんなさい。」
「よろしいですー。これはこれで気に入ってますー。」
「ところで、装備はそれで良いのか?ナイトだったらもっとガッチリした装備の方が良いんじゃないか?」
僕のイメージだが、ナイト=鎧ってのもある。巫女衣装よりかはそっちの方がいいんじゃないかと思ったのだ。巫女衣装も良いのだけど……。
「これはこれで良いですー。もともと防御は高いので。それにこの巫女衣装、魔法耐性もついているらしいですー。」
マジかよ。カウンター防御に、魔法耐性とか無敵かよ。一番の欠点である攻撃が当たらないってのを除けば一番信頼感があるぞ。……、その欠点がデカすぎるのだが……。
「やっぱり巫女よね。うんうん。私の目に間違いはなかったわ。」
ミキエルは腕組みをしながら自分を自分で感心して居た。
もう勝手にしろ。全く。……、巫女衣装については共感するものがあるのだが。
「それじゃクエストに向かいましょう。ゴブリンの敵なんぞ、私の魔法銃で余裕よ。なんせ私は闇に選ばれし存在だ。私が私で無くなる前に行くぞ。」
もうすでに1人(リリィ)はモンスターに遭遇する前に中二病という不治の病にかかってることはスルーしつつ、僕たちは目的の洞窟に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます