第22話悪魔との契約。

お店が見えてきた。いつ見てもパッと見、雑貨屋さんだ。いつも通りのマネキンも置いてあった。

もう魔道具やめて服屋とか雑貨屋に転職した方が売れそうと思いつつ、お店の前に立っていると1人の女性が声をかけてきた。



「あら〜。久しぶりだわね。この悪魔に何かようかしら。」



「おう。ちょっとな。」



店内に居たやくっしーが僕に気づき話しかけてきた。ソワソワしている。



「ところで、あの天使はいないわよね。」



「今日は来てないよ。……。なんでそんなにソワソワしてるんだ?」



キョロキョロとしつつ、いない事にホッとしている。



「あの天使。ここの周辺を通るたびに、いつもこのお店のドアノブに聖水をつけて帰るの。なにあの天使嫌がらせ?意味がわからない。営業妨害よ。」



あの堕天使何やってるんだ。おやつ代と称して、ちょこちょこと宿舎を抜け出している時はあったが、僕の金で何してるんだ。よし、このクエスト終わったら聖水代を徴収してやろう。



僕は周辺を見渡した。パッと見ても、雑貨しか見当たらない。何かを察したやくっしーは店の奥に入り何かを持って来た。



「何かをお探しのようね。見えるわ。この大悪魔を目指す私だもの。この魔道具をお探しのようね。」



持って来たのはレーダー的な道具だった。何かを探索するぽいものらしいが。



「これはなんだ?もしかして、目的な物を察知してくれる道具なのか?」



「ご名答。この道具は検索する事でその在りかを示してくれる優れものよ。でも敵感知は出来ないわ。なんせ採取専門の道具だもの。」



「いいね。そいつを探していたんだ。今日あたりに採取クエストに向かおうと思ってて。」



こいつは本当に悪魔だろうか?何か優秀な店主だと思いながら関心していると。



「お代はいらないわ。その代わり、あなたが今から行く洞窟の中にあるエメラルドを採ってきて欲しいの。」



エメラルド?そんな物が洞窟でとれるのか?

そんな疑問を思いながら



「取れるわよ。金剛草の近くにね。ついでだからお願いね。ん…?何よ。じっとーっていう目は何か文句あるの?貸さないわよ。」



ぼったくり感が凄いのだが……。まあいいや。タダで貸してくれるのならばそれに乗るしかない。僕はその案件で了承した。



「契約成立ね。このエメラルドは次の魔道具作成の素材なの。色んな物を作って売り物を作らないといけないのよ。だから助かったわ。」



「え?、魔道具って作れるのか?マジで?。今度作り方教えてくれよ。」



その言葉にやくっしーがうーんと悩みながらも、縦に首を振った。



「ただし、それには条件があるわ。作った魔道具の権利を私に優先的に売りなさい。もしさきに違う商店に売ったら許さないんだから。良いわね。」



「契約成立だな。絶対に約束守れよ。」



「悪魔の契約は絶対。それは保証するわよ。本当にあなたが話がわかる人で良かったわ。」

僕とやくっしーは手を取り合い、契約を交わした。

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