第9話 初クエストの始まり。
「ハンバーグ定食お待ち!!」
冒険者ギルドの酒場の亭主がテーブルまで持ってきてくれた。
本当にあるとは、異世界でも日本と同じ料理があった事に感動だ。
味の方はと言うと……普通だ。むしろ、始まりの街にこんな料理があっていいのだろうか。
肉を黙々と食べてるミキエルを見ながら、僕は言った。
「自分らって全然冒険者ぽい事してなくね?」
ミキエルの箸が止まり目が点になっている。
「あ、そうね。」
こいつ目的そのものを忘れてやがったな。
するとミキエルが少し考え、持っているフォークで肉を口に運び。
「だったら……モグモグ、明日……モグモグ……。」
食べてから話せよ。何を言っているか全然わからん。
「ゴクリ。それじゃ明日クエスト行ってみない?」
突然の提案にびっくりしてしまった。実際のところ行ってみたい感じはあった。たまには良い提案するじゃねか。この天使も。
「それじゃ私に任せて。これでも私は天使だから。」
僕はこの天使のご飯代を払いつつ、このプリーストの天使に明日のことを任せて宿に戻った。
チュンチュン。窓から太陽の光が部屋に照らされる。もう朝か。今日は仕事も休みで、いつもより遅めに起きてしまった。
あの天使はと言うと、まだ寝ているぽいな。今のうちに準備をしておくか。
僕は防具と武器のハンマー、短剣を研磨した。
気づくと、もうすぐ昼頃になりつつあった。だがあの天使(ミキエル)はまだ寝ていた。
僕はさすがにしびれを切らしミキエルを起こしに行った。
「起きろ。今日はクエスト行く日だろ?」
「んー。おはよう。まだ朝でしょ……。あ、もうこんな時間か。」
普通に寝過ごしていたらしい。この堕天使が……。
「おいおい、寝すぎだろ。クエストの方は大丈夫なのか?」
僕は心配になって聞いた。
ミキエルは手を上にあげた。手の近くに光が照らされると背丈ぐらいの杖が出てきて、それを手に取った。
「大丈夫。めんどくさいけど私に任せて。」
不安がいっぱいだか、そう言っている天使を信じギルドの方に向かった。
【巨大蜘蛛の討伐】☆☆☆★★
【巨大カマキリの討伐】☆☆☆☆★
【ゴールデンタイガーの討伐】☆☆☆☆★
【ドラゴン、子の保護と親の討伐】☆☆☆☆☆
ギルドの掲示板を見ている。ほぼ、難易度3以上じゃねーか。受付嬢に聞いたところ、ここは始まりの街だけあってかほとんどの初心者クエストは早い者勝ちになってしまうらしい。
無理ゲーじゃないか。ドラゴン?ゴールデンタイガー?名前だけで勝てる気がしない。全滅案件じゃねーか、もう。
僕は頭を悩ましながら募集クエストを見ていると、ミキエルがクエストの紙を見せてきた。
「ここどう?難易度も難しくない感じで楽そうだよ。」
【蜘蛛の討伐】☆★★★★
「ナイスー。良いじゃん。よくこんなクエスト見つけたな。」
ニッとミキエルは笑顔を見せた。
「姉ちゃんが……いや女神のご加護があったよ。」
アンジュさんありがとう!!感謝します。
これでようやく冒険者ぽく初クエストは開始された。
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