第3話 神殿2。

女神様(アンジュ)が唖然としていた。そして、

「えーーーーーーーーー。スキルや能力とかじゃなくて、え、本?あれだけかっこよく演出したのに。」

杖を持ちながら、もう少し考えなさいよと言わんばかりのポーズをとっている。


えってなんだよ。とジトーとした目で僕はアンジュを見る。

「だって購入する前にここに連れてこられたからだろ。めっちゃ気になってたんだよ。早く読ませろよ。」


アンジュは考えながら少し沈黙があったのち答えを出してきた。

「ごほん、とにかくその本は読めません。それはあなたがこれから神源東洋伝の主人公になるからです。」


ん?今なんて?主人公だって?

なにか女神様(アンジュ)が意味不明な事を言い出した。混乱している自分を他所に、アンジュは追い打ちをかける。


「前回、前に居た主人公が魔王に殺されてから続きが書けないんです。だから次の主人公はあなた。

そのラノベの続きをあなたが描いて欲しいんです。私がその続きを書いて本にしますので。」


アンジュは話を続ける。

「今まではあなたが居た現実世界の人が勇者となっていました。それを記録し本として私は女神としての役目を果たしていました。

しかし、現実世界でも私が書いた本が発売されてたとは思いませんでした。」


まさかの作者かよ。ってことは神源東洋伝はフィクションじゃなくてノンフィクションかよ。

確かにリアリティーは凄くあった。それか好評で周りからも評判は良かった。だからかーーーー。


僕は深いため息をして、女神に聞いた。


「それじゃ僕が描く話は前の主人公が殺された後の話になるんだな?」


アンジュは頭を縦に振る。

「そうです。その可能性は非常に高いです。」


僕は心の中でガッツポーズをとった。胸熱じゃねーか。まさか僕の好きな本に出られるなんてよ。しかも主人公で。


しかし、別の問題が出てきた。

この異世界に持っていけるものだ。スキルにしても僕は普通の高校生、一般人(村人)と変わらないだろう。お金や物に関してもお察しだ。どうする?


悩んでいるうちに考え込む僕を見て、アンジュはとある提案を持ちかけてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る