「 蓮華の花守 - 青睡蓮の花束 」(十一)
―――――― 巳の上刻 ( 九時 )
朝の女王の湯浴みを終え、
露出部分が多いせいか、
リエン国的には " 結婚してくれ " と言わんばかりの装束である。
「 これって良いの…? 肌晒し過ぎじゃ ――― !? 」
昨日の紅魚と女王の会話は幻だったかの様に、花蓮は
「 女王さまは
「 はい…! 」
「 湯殿どうする? ――― やっぱ、いちいちお湯 変えた方がいいのかなぁ? 」
花蓮女王と紅魚、珠鱗が謁見の間に向かったのを見届けると、
「 確かに、 ――― 今日は偵察するのに持って来いの日だ。 」
「
「 はいはい、心配しなくとも俺は
結局、
―――――― 謁見の間にて、
お互いの姿を目にした
――― と、言ってもライルのほうは顔よりも 完全に肌の露出具合を見て判断している。
ライル王子とは別の船でリエン国に訪れた彼の父親 ――― ロータス国の王・アスワドはご機嫌な様子で誰も聞いていないロータス語交じりの贈答品の説明を続けている。
アスワド王は挨拶と会食を終えたら
アスワド王の贈答品の解説が一段落すると、「 続きは宮中を回りながらお話されては
「 ああ……なるほど、そうですね ――― 少々お待ち頂けますか? 直ぐに御案内させて頂きますので 」と、アスワド王の注文は想定外だったのか
「 宜しければ、女王陛下にも花束を…――― ライル!お前から渡せ!! 」
ライルは、内心 " めんどくせぇ " と思いながらも、普段、民の前に佇む時の様な紳士的な振る舞いで贈答品の中に混ぜて置いてあった青色の花束を女王に差し出した。
「 ブルー・ロータス ――― リエン国の言葉で言うと "
「 "
( !? ――― 何だ? 今の顔は…… )
一方、アスワド王とライル王子の 臣下であるナジュムは、女王に
「 まさか、医院の出番があるとは思ってなかったわ……! 」
「 酔い止めのお薬って、酔った後に飲んでも良かったかしら? 」
医院の片隅で
彼以外のロータスの臣下達も何名か医院に流れ込んで来て倒れ込んだり、嘔吐を繰り返しており ――― 葵目を始め、医官達は臭いと掃除をどうするかで頭を悩ませ始めていたが「 必要なのは薬よりも水と氷よ! ――― 王子様と縁が出来るかもしれないから恩を売っときましょう! 」と、姫鷹医院長のみは 足取り軽やかにノリノリの様子で自ら氷を取りに向かうのだった。
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