「 蓮華の花守 - 青睡蓮の花と珠鱗 」(十二)
( ―――
意外と怪しまれないもので、別の場所を見張っている若く麗しい武官達は彼を見かけると宝石の様な美しい顔で微笑んだ ――― 。
「 何か? 」 ――― 二人居る見張りの片割れが、立ち止まった
「 ? ――― 知らないの!? コチラは
「 執務室って事ですか? 」
「 君、新入り? ――― ここは
片割れの見張りが小さな子供の様に頬を膨らませて怒り始めると、もう片割れが「 いつか、君も きっと呼ばれるよ! 」と笑顔を見せた。
「 " 呼ばれる "って…? 」眉を
「 その " 特別 " ってのには、どうすればなれるんでしょう? 」
「 さあ? 」 ――― と、見張りの二人は声を揃えると「 美貌を磨くとか? 」と、片割れが首を傾げながら答えた。
「 ――― 随分と呑気な見張りだな……。」
持ち場に戻った
「
「 側近の人って、王族の居住棟に住めると思う? 」
「 ますます、
花蓮女王がライル王子から手渡された花束を女王の私室へ置きに来たのだ ――― 。
「 ? ――― 青い
女王の私室へ運ばれた青い花束は、一瞬で 待機していた女官達の心を掴むと、彼女達によって美々しく威厳のある花瓶に活けられた。
「
楽しそうな
「 綺麗ですね……! リエン国の
「 そうみたいですわよ! 」と、
「 え!? なんで? ―――……やっぱり、陛下はご結婚されたく無さそうでしたか? 」と、
その事にライル王子は気付いており( マズいな…――― さっきから見られてるぞ…… )と、女王から目を逸らしがちに出された白い酒を口にする。
彼がリエン国の女王の夫の座に興味が無いのは、側室を持たなかった
( たった一人の女…――― それも、まだ
「 女王陛下、どうかな?我が息子は ――― ?」
結論を急ぐアスワド王が直球で訊ねると、女王は
女王が愛らしく恥じらいを見せていると判断したアスワドは、好感触に声を出さずに口元を微笑みで歪ませ ――― ライルは憂鬱の溜息が漏れない様に黙り込むしかなかった。
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