「 不可解な鏡 」(三)
「 さてと、俺はそろそろ帰ろうかな ―――
――― そう言って、
「 私も一緒に帰るわ!
「 良いけど……泊まるんじゃなかったの? 」
「 今日はやめとくわ。そういうのお父様が良く思ってないのよ。
それも本当の理由ではあるが ――― " ただ単に
特に、
「 ああ ――― その件はすまなかったのう、
「 いいえ、お気になさらないで
「 お二人とも帰られるのですか…… 」
寂しさも感じてはいるが、他に誰かいれば
静かになると、宮中を包む 波の音が 良く聞こえる ――― 。
「 また来るよ?
「 はい……お待ちしております 」
「 ――― さっきから言おうと思ってたんだけど、
「 ? 」
「 今日は髪型が違うんだね ――― それも 良く似合っているよ! 」
「 あ…ありがとうございます! 」
「 先生に聞いたけど、ちゃんと
「 !? 」
――― 今度は困惑の表情を浮かべた
「 二人とも気を付けて帰るのじゃぞ 」
( 仲直りと言われても……別に喧嘩をしている訳では……! )
照れと困惑で顔をふくれっ面にしながら、
――― 帰り道、
「 何を運んでいるのかしら? 」
「 さあ…? 何だろうね…… 」
良く見ると、板の様な薄い物以外に 家具の様に大きく形ある物まであり、それら全てを運び屋達が長い列を作って宮中へ持ち運んでいる。
「 あの、これは何を運んでいるんですか? 」
運び屋の一人に
「 えっ!? 鏡…ですか? ――― 全部!? 」
「
「 一体、どんな部屋を作る気なのかしら……? 」
「 そうだね……。 」
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