「 睡蓮と白夜 」
身体の傷は痛むが、
相変わらず、自分の過去については何も思い出せずにいたが
代わりに、リエン国の事や 目覚めてから出会った人達の事など新しい事を覚え、
何かひとつの物事や ひとりの人物について、深く考える事が出来る様になって来ていた。
何も覚えていない
「 ――― あの、
体を丸めた時に胸元の傷が痛んだが、自分以上に重症に見える
「 いや…お嬢さん、あなたのせいじゃ無いですよ!? 俺は務めを果たしただけですから…――― お嬢さんが無事で何よりですよ!! 」
「 で…でも…… 」
思わず、包帯で包まれた
「 あの…治るまでの間は、私 何でも手伝いますので!! 」
「 ありがとう、お嬢さん……! そりゃあ助かるよ! 」
――― 二人が和やかな雰囲気で微笑み合っている様子を、少し離れた所から
現在、目にしてる様な盛り上がりは無かったので、何となく 二人を見ていて面白くは無かったのだが
( いやいや、待て待て……! 俺には
それでも、
今となっては皆が呼んでくれる "
(
本来は、診療所の患者への食事は病室に運ばれるのだが、
「 え!? これ…
「 お前、剣士なのに料理人なのか!? 」と、
「
「 すごいです…! 」
海に囲まれているリエン国では魚介類が豊富なので、
自身と
「
「 母さんが死んで、父さんが下手過ぎるから上手くなったんだよ…… 」と、彼の息子のほうは 独り言の様に呟いた。
「 おのれ!
「 ――― 御馳走さん!! ああ うまかった! それじゃあ、自分は失礼する! 」
行儀作法など気にしない
「 お主、片手なのに もう食べ終わったのか…!? 」
「 あ!
「 いやいや、これくらいなら大丈夫だよ お嬢さん 」
誰も彼の心の中に気づいていなかったが、
「 ―――…
真向いに座っている
騒がしい
「
肝心の白夜は、東雲の名を聞いた睡蓮が満面の笑みを見せたので呆気に取られていた ――― 。
「 はい…!
「 そうじゃな、
お主の隣にいながら、矢を食い止められなかった事を悔やんでおった。 」
「 そんな…!
「 ――― て言うか、自分も仲良いよね……? 父さん 」
何だか、縄張りを荒らされてるような気分がして
彼自身は気付いていない様子だが、
「
「 はい…! 覚えています。 」
「 うん、じゃあ 食べ終わったら ちょっと二人で話せるかな? 」
「 ? ――― はい…… 」
空気を読んだ
最初は、夜空に白く輝く月でも見ながら・・・・と思っていたのだが
情緒のある場所に他の女の子と居るのは
結局、現在
「 ……早速だけど、
「 ? 」
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