「 桔梗の涙 」(二)
「
野放しの何者かによって、
室内に姿が見えないので外へ出てみると、雨は止んでおり黒い空に青白い月が輝いていた。
月明かりの
「
そう言いながら
不謹慎と思いつつも、
「 何があった!? ――― まさか、矢の犯人が…… 」
「 違う………!! 」
「
「 中になんて入はいれない……! ――― 私……さっき、恐ろしい事を考えてしまったもの…… 」
「 恐ろしい事? 」
「 あ…あの
本気で心配もしてたのよ…!? でも…一瞬……、一瞬だけ………
あの娘がいなくなれば、あなたがあの娘と ――― って 」
一瞬でも
取り敢えず、
小さな頃の
「 君は悪く無い ――― そう思わせたのが俺なら、悪いのは俺だよ。 」
「 …それは違うわ! ――― あなたは……酷い目に遭われてたあの娘を救ったのだもの……!
さっきも、海でも……! 私とは……まるで、違う………!!」
「 まあ、確かに恐ろしい事だけど……解るよ?
俺も逆の立場だったら、考えるかも ――― それを正直に言えて、涙する君は綺麗な人だと思うよ?」
―――
「 ごめん……
でも、俺がこうするのは君だけだからね? ――― それを忘れないで。 」
「 だから、もし、君と俺と
「 ちょっと待って!! 四人で暮らすって何!? ――― 何で その四人なの?
「 ――― 父さんから聞いてないの!? 」
「 何をよ!!? 」
「 失礼、
そこに座っていると言うか、転がっているのが
門の所に
「 もう一人
あと、君にはこれを渡すように言われた。」
「 ? 」
「 え!? ――― もう受理されたんですか? 申請したの昨日ですよ!? 」
「 いや…僕に聞かれてもわからないよ!
でも、
「 どうして……!? 」
宮廷に仕える者達は、王の
その際、申請すれば 家族や使用人なども一緒に住む事が許されるのだが
家族や使用人は宮廷に入る前に身元確認が必要であり、受理される迄は かなりの時間が必要になる ――― 。
――― 女王の印らしき物も押して有るので間違い無い。
「まったく…―――
―――
一部始終をずっと目にしており、出るに出られなくなっていたのだ。
「 おっ…君がもう一人の武官かな? 随分、デカいな…!それじゃあ、二人共 よく聞いて…――― 」
結局、使いの男は 二人に同じ話を何度もする羽目になるのだった ――― 。
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