「 蓮の台 - 閑話 」(五)
「 先生、
「
「 いやだな~、これくらい差し上げますよ? いつもお世話になっていますから。 」と、
「 はい、どうぞ!
「 ありがとうございます…! 」
” 果実 ” は解るが、" 桃 " と言うのは
「 どうかな? 」
「 おいしい…と思います。……飲んだ事あるかもしれません? 」
「 お、いいね~!何か思い出すかもしれないね?
じゃあ、こっちも行ってみよう。 俺のだけど、まだ飲んでないから一口どうぞ。」
「 これ!
「 すみません、先生。
出かける前に
いろいろ 飲み比べてみるのはどうかなと思いまして。 」
「 うむ……そういう事なら……それは良い考えかもしれんのう。
心では忘れてしまっても、体では覚えてる場合があるそうじゃからのう。
確かに、
「 いや、先生が作るのは薬みたいで 大半が
――― 突き刺さるような
「
「 はい…それは わかっているのですけど…… 」
飲みたくないとか、
なんとなく、
自分は
「 うっ……! 酸っぱい……!! 」
「 ねえねえ、
あんた、
その
「 うん、会ったよ? ―――
「 お顔は見てないのかい? 」
「 うん、今日になるまで人前に出られないからって理由で
影は 少し透けてたけど、顔まではわかんなかったなぁ……
本当は
「 へぇ~ すごいじゃないか!!
「 ふむ……その話を聞く限りでは、
「 あ、はい。 俺もその時は そう思ったんですけど…―――――― 」
朝や夕刻に鳴らされる時鐘の響きとは違い、水面に波紋が広がって行くように
澄んだ音が、新しい王の誕生を喜んでいるかのように いつまでも鳴り響く ――― 。
「 式が終わったみたいだね!? いよいよ
「 あ!待って、
――― 天幕を飛び出して行った
ふと、
―――
「 あの、
「 ん? 何? 」
「 先程、何を言いかけていらっしゃったのですか?」
「 ああ! そうだね 、そうだった! ―――
昨日の
「 今日のお式の準備でお忙しかったのでしょうか?
「 まあ たぶん、そんなところだろうね? 」
「 わしゃ、先が短いが お前達は これからも長い間
「 先生、さっきの俺の話 忘れましたか? ご挨拶はもう……――― 」
「 口答えはせんで良い!!
お主は
「 でも、
「 ………。」
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