「 蓮の台」(三)
( ――― まだ見てる………! )
男の前を大勢の人間が行き来しているので、顔や表情はハッキリとは見えないが
女性にも見間違えそうな程に 長く、少し巻きが入った美しい髪を布の中から覗かせていた。
( どうしてだろう……? あの
―――――― " あまり
緊張のあまり
「 …
不審に思いながらも、再び、
「 あなた 真っ青よ…!? 大丈夫なの? 」
「 あ…あの、あの
ほんの一瞬、
長髪の赤布の男は
( いない……!? どこへ……… )
「 わわわ!!!
「 俺、飲み物でも買って来ようか? 皆 何が良い?
あー…でも、六人分は 一人じゃ持てないから
「 良いけど……傘があるから、私 片手しか使えないわよ? 」
「 ……うん。まあ とりあえず、それで行ってみようか? 」
―――
近くに居た
「 ――― 赤……ですか? 」
「 はい…… 」
「 赤なんて王族が着る色みたいなもんで、今日みたいな日は 一般人はあまり着ない色なんだから
その辺に居たら目立つだろ!? はやく 捕まえてよ!! 」
―――責め立てるような
「 確かに、男が好む衣類の色では無いな。
「 そうですね、リエンで その色を着ている男性はあまり見ないかな。 」
赤色の衣装に対する三人の言い分に、武官の男も同意するように
男は 心の中で確信した事を
「 その男は、もしや うねりのある髪で 細身で長身だったのでは……? 」
「 は…はい!そうです。――― 何と言うか…こう、少し ふわふわっとした髪で……」
「 やはり、そうか ――― 」と、武官の男が 一人で納得したように
「 もしかして、あんた そいつの事 知ってんの!?
なんで、必死になって探さないんだよ!!もうすぐ、
「 いやいや、奥さん 落ち着いてください!その
「 はあ~!? どういう事だい? 」
「
彼女は情に厚い女性なので、彼が彼女を止めなければ喧嘩になっていたかもしれない ――― 。
「 お嬢さん、あなたが見かけたのは、おそらく
「
「 はい、
今日は赤い布を羽織っておられたので間違い無いと思います。
あなた
「 ええっ!?
不審者だとばかり思っていた
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