「 蓮の池 」
池には、
「 本当だ……葉っぱの形が違う! 」
――― 蓮の葉は真ん丸だが、睡蓮の葉には切り込みが入っている。
「 そうだよ!二つの花は似ているようで違うのさ!
咲き姿も全く違うから、咲いた時に また見比べてごらんよ! 」
「 はい!楽しみです。 」
―――ふと、水面に映った自分の姿に目が留まる。
( あなたは誰なの? ――― "
「 どうしたんだい? ぼーっとして……気分でも悪いの? 」
「 はっ! ――― いいえ! ちょっと考え事を…… 」
「 に、しても 植えつけに ちょうど良い時期で良かったねぇ~!
あとは太陽次第だけど、蓮がこんなに育ってるし
ちゃんと離した所に沈めたから睡蓮のほうも育つと思うよ。」
「 あの…ほとんど、手伝えてなくてごめんなさい。 」
「 いいって!あんた病み上がりなんだから泥まみれになるんじゃないよ!
それに、あんたに着せたその服は痩せたら また着るつもりでいるから、
あんまり汚して欲しくないしね♪ 」と、
「 さ~て、さてさて♪ 次は玄関前と
悪いけど、それも手伝ってよ? あんた 日に当たったほうが良いし、
「 はい、もちろんです! 」
「 それが終わったら、明日の準備も手伝わないと…!ちょっと 手と足 洗って来るから待ってて! 」
――― そう言い残し、池の中から出ると、
その後、
診療所がある通りから 少し歩いた所にある、他の道よりも造りが 整っている
『
大通りに到着すると、他にも
どの光景も初めて目にしたような気がして、
「 明日、
だから、皆で掃除してお出迎えの準備してるってわけ♪ 」
「
「 そう!明日 初めて
明日の この道は 人でごった返すだろうけど、体調が良かったら あんたも一緒に見に行こうね♪ 」
「 はい!……でも、先生と
「 まあね、この辺りの医者は先生ぐらいしかいないから
この辺で 即位式の途中に怪我人とかが出たら、あたしらが治療するってわけ!
だから、後からあの辺にウチの旦那と
「 天幕…ですか? 」
『 天幕 』と聞いて、
天井も無い所で どうやって張るのかと疑問に思いながら、見よう見まねで通りの掃除を始めた。
出会った人物の中で
尋ねる前に
意味が
(
―――道を箒で掃きながら
これまでに見た他の道よりも道幅が広く、
道の左右には、診療所と同じ様に石造りの建物が
長く真っ直ぐに伸びた道を目で追って行くと、遠く奥のほうに屋根の付いた大きな門のような建物が
途中、踊場もあるようだが 上へ上へと高く長く伸びており、
霧がかっていて、 まるで、雲の上へと続いてる様にも見えた。
「 あれを上るのは……確かに、大変そう……! 」
「 え? ――― なんだって?
「 あ…いいえ!思わず口に出してしまっただけです! 」
「 やだねぇ、霧が出て来たよ!? 明日までには引いて欲しいねぇ… 」
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