■第一章 『 一蓮托生 』
「 睡る花のような少女 」(一)
――――――
リエン国に暮らす青年・
半年前に
勝ち残ってしまってから
腕を磨く理由のひとつは、
華やかさのある容姿の割に、生真面目さを持つ性格である所が非常に気に入っていた。
王が目を掛けてくれた事は彼の誇りでもあった。
例え、王宮に呼ばれなくても自分自身を高めるために、
今朝は
もともと海が好きなのだが、
なんだか、神聖な景色に見えて 気に入っていた。
夕日が沈む瞬間も美しいが、陽が昇って行くほうが希望を感じて好きなのだ。
いつものように、上機嫌で 砂浜を歩いていた
この日の朝は、太陽でも海でも無く、全く 別のものに 目を奪われてしまった ――― 。
波打ち際に人が倒れていたのだ。
彼は、この海には 何年も足を運んでいるが人が倒れているのを見つけたのは初めての事だった。
倒れていたのは十代と思われる若い女性 ――― 髪の長い、
布は海水で濡れてしまっているので、もし、まだ 生きているのなら
これ以上 体を冷やさない
少女はその布以外は何も身に着けておらず、それに気づいた
少しだけ見てしまった その体には、傷のような物は見当たらなかったが
全身が蒼白くなっており、
一応、少女の脈を確認してみた所 、彼女がまだ生きていたので
てっきり、水死体だろうと思って
慌てて少女を抱きかかえて波打ち際から移動し、少女を
思いきって、少女を覆う黒布を
少女の
その身体を女性の身体として眺める気持ちなど
溺れたのか、あの場で倒れたのか
あまり力を込め過ぎると少女の華奢で柔らかな体を壊してしまいそうで
滅多に恐怖心を感じない
やがて、
少女の呼吸を回復させる
まるで
惹き込まれて行くかのように、何度も何度も
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