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2017年8月7日 23:06
ルト様 完結お疲れさまでした。中村尚裕です。 『魔力炉ゼロドライブ』盛り上げましたね。 遅くなりましたが感想を差し上げたいと存じます。 まずスケール感。 最初の風呂敷から抱いたスケール感からすると、4万文字で終わるというのは少々もったいない――というのが素朴な実感。 話を膨らませる悪癖のある私としては(笑)、もっと盛っていただきたかったくらいです。ただしこの思い、少なくとも話の雰囲気に対する未練という側面も多分に含んでおりますので要注意。これはマイナスに捉えるより、むしろ感情移入度の高さを評価するべきところでありましょう。 ここでご提案したいのは。 まず“エクスマキナが壊すもの”、これのスケールが冒頭から絶大であったことはもったいなかったポイントの一つですね。 これで物語の長さについて、観客に誤った(過大な)スケール感を抱かせている側面もあるのではないかと愚行します。 よってご提案と申しますのは。 最初にエクスマキナがイデアに望むこと、これは“己の力を全て解放すること”として、エクスマキナの求める“代償”を過小に観せておくことです。 同時にカナとナタが伝承に伝え聞くエクスマキナの力は『あらゆるものを破壊する』程度に留めておきます。 これで何が望めるかと言って。 物語中盤から事件の深刻度がエスカレートしていく、という演出が望めます。 イデアの望みはまず“世界の壁を壊せば達せられる”かのように演出しておいて、それは“無限に迷い子を生む”という程度の認識からまず事態をスタートさせ。 中盤で実際に2つの世界を繋ぐ壁を破ることで無数の迷い子が生じる――ここまでは当初の予測通り。 ですが、このままではイデアの願いは叶わない――とエクスマキナに告げさせるのです。 イデアの望みを叶えるには、さらに世界の壁を破って第3の平行世界をすら巻き込み。 果ては現存する全ての平行世界を壊して現世と“あの世”の境界すら溶かすしかない、という風にエスカレートさせていくのです。 で、ここで主人公達が認識する『エクスマキナの力が破壊し得るあらゆるもの』とは、『平行世界全て、現世と“あの世”までもが丸ごと含まれる』ことを認識させるのです。 ここで重要となるのはダブル・ヒロインの葛藤の発露である「助けて!」の意志でありましょうが。 イデアを止めねば自分達の世界(この時点での『あらゆるもの』の認識)が滅ぶ、しかしイデアを止めるには殺すしかない、という葛藤へ持ち込むわけですね。 で、ここで主人公が世界を超えてしまった事実から。 エクスマキナの壊す『あらゆるもの』とはダブル・ヒロインの世界に留まらず主人公の世界までが含まれる――という認識に書き換わり。 イデアに「ママがいるのは――ここじゃない!?」とでも言わせることで第3の平行世界が滅ぶことを匂わせ。 最終決戦で実際に第3の世界との境界を破ってみせることで、“その先”――あらゆる平行世界の滅亡を匂わせるという寸法です。 こうすることでいよいよ“イデアを止める=殺す”必要が重みを増し、主人公の「どっちも助けたい!」という願望の重さを増幅していくのです。 なお、「主人公はダブル・ヒロインのうち、どちらか一方しか救えない」という前提を与えておくと、緊迫感はいや増すものと拝察します。 オチとしては現状そのままの案で行けば、見事に解決が望めます。 さらに追い討ちとして。 主人公がダブル・ヒロインのそれぞれと個別にデートするシーンなど含めると申し分ないかと拝察します。 まあ、この辺はそのまま呑んでしまうと尺が明らかに伸びてしまうのですが。 間違いなく力作でした。色々とご提案差し上げたくなるのも、御作の放つ魅力ゆえと捉えていただければ幸いです。 お互い頑張って参りましょう。 それではまた。
2017年7月25日 20:14
凄い面白かったです!アニメ化して欲しいとか久し振りに思いました。完結おめでとうございます!
作者からの返信
最高のお言葉をありがとうございます! ロボットものはやはり映像が格別ですね。ロボットと美少女の相性は抜群! 読了ありがとうございました!
ルト様
完結お疲れさまでした。中村尚裕です。
『魔力炉ゼロドライブ』盛り上げましたね。
遅くなりましたが感想を差し上げたいと存じます。
まずスケール感。
最初の風呂敷から抱いたスケール感からすると、4万文字で終わるというのは少々もったいない――というのが素朴な実感。
話を膨らませる悪癖のある私としては(笑)、もっと盛っていただきたかったくらいです。ただしこの思い、少なくとも話の雰囲気に対する未練という側面も多分に含んでおりますので要注意。これはマイナスに捉えるより、むしろ感情移入度の高さを評価するべきところでありましょう。
ここでご提案したいのは。
まず“エクスマキナが壊すもの”、これのスケールが冒頭から絶大であったことはもったいなかったポイントの一つですね。
これで物語の長さについて、観客に誤った(過大な)スケール感を抱かせている側面もあるのではないかと愚行します。
よってご提案と申しますのは。
最初にエクスマキナがイデアに望むこと、これは“己の力を全て解放すること”として、エクスマキナの求める“代償”を過小に観せておくことです。
同時にカナとナタが伝承に伝え聞くエクスマキナの力は『あらゆるものを破壊する』程度に留めておきます。
これで何が望めるかと言って。
物語中盤から事件の深刻度がエスカレートしていく、という演出が望めます。
イデアの望みはまず“世界の壁を壊せば達せられる”かのように演出しておいて、それは“無限に迷い子を生む”という程度の認識からまず事態をスタートさせ。
中盤で実際に2つの世界を繋ぐ壁を破ることで無数の迷い子が生じる――ここまでは当初の予測通り。
ですが、このままではイデアの願いは叶わない――とエクスマキナに告げさせるのです。
イデアの望みを叶えるには、さらに世界の壁を破って第3の平行世界をすら巻き込み。
果ては現存する全ての平行世界を壊して現世と“あの世”の境界すら溶かすしかない、という風にエスカレートさせていくのです。
で、ここで主人公達が認識する『エクスマキナの力が破壊し得るあらゆるもの』とは、『平行世界全て、現世と“あの世”までもが丸ごと含まれる』ことを認識させるのです。
ここで重要となるのはダブル・ヒロインの葛藤の発露である「助けて!」の意志でありましょうが。
イデアを止めねば自分達の世界(この時点での『あらゆるもの』の認識)が滅ぶ、しかしイデアを止めるには殺すしかない、という葛藤へ持ち込むわけですね。
で、ここで主人公が世界を超えてしまった事実から。
エクスマキナの壊す『あらゆるもの』とはダブル・ヒロインの世界に留まらず主人公の世界までが含まれる――という認識に書き換わり。
イデアに「ママがいるのは――ここじゃない!?」とでも言わせることで第3の平行世界が滅ぶことを匂わせ。
最終決戦で実際に第3の世界との境界を破ってみせることで、“その先”――あらゆる平行世界の滅亡を匂わせるという寸法です。
こうすることでいよいよ“イデアを止める=殺す”必要が重みを増し、主人公の「どっちも助けたい!」という願望の重さを増幅していくのです。
なお、「主人公はダブル・ヒロインのうち、どちらか一方しか救えない」という前提を与えておくと、緊迫感はいや増すものと拝察します。
オチとしては現状そのままの案で行けば、見事に解決が望めます。
さらに追い討ちとして。
主人公がダブル・ヒロインのそれぞれと個別にデートするシーンなど含めると申し分ないかと拝察します。
まあ、この辺はそのまま呑んでしまうと尺が明らかに伸びてしまうのですが。
間違いなく力作でした。色々とご提案差し上げたくなるのも、御作の放つ魅力ゆえと捉えていただければ幸いです。
お互い頑張って参りましょう。
それではまた。