一般的な世間とは価値観の異なる企業風土や海外への移動とそこでの企業人としての再生なんですよ、基本は。とはいえ、ややぶっ飛び過ぎた内容は、異世界への転生とそこでの活躍にも思えなくもない。
そう、この一連のストーリーはどれも「異世界モノ」として読める。通底する古めの価値観も難読漢字も硬めの口調も、異世界の流儀と思えば得心がいく。随所ににじみ出てくるようなおかしさがあって、その多くは狙っているのだろうと思う。
episode3も男塾かハリー・ポッターかみたいなところからテリー・ファンクとテキサス魂みたいな話までパワーワード満載。「なるほど、通りで毛並みが良い訳だ…」とか「小野田寛郎」とか「アメリカはテキサスなしで生きていけないが、テキサスはアメリカなしでも生きていける」とか「河童は伝説の生物で、頭に皿を乗せたジャパニーズの妖怪だ」とか「鋼管をミリオン単位で誤発注する奴が、セイバーメトリクスを語るとは」とか。
ただ、通底する古めの価値観に邪魔されてしまうヒトには伝わりにくいだろうなあ。一般的な面白さじゃないかも。
山ん中の学校での繰り返す入学当初がサンプリングされたテクノサウンドのリフレインのようでだんだんやられてくる感じがあった。あそこは狙ってないと思うんだよなあ。そしてそこにちょこちょこ投入されるパロディ。なんなんだろうか、目をくらまされている感じ。
なんか全体的に不穏で不思議な話の割に最後があっさり。ひょっとして続くの?
No way!