第24話 奴隷購入

 ここはとある店の前だ

 その店の名は『癒しの清流』

 ...何の店だと思う?

 正解は...奴隷商店でした!


 ...笑えない、笑えなさすぎる。

『クレア様の為なら何だってしてやる』と決めたけど、こんなに早く日本のモラルを捨てることになるなんて...


 ...しょうがない。もう俺は日本人じゃないんだ。


 覚悟を決め、店の中へと入っていく


 ガチャ


「いらっしゃいませ。本日はどのような奴隷をお探しでしょうか」


「シュバルツ家から来た」


 ここは屋敷ではないので貴族らしく振る舞わなければならない


「そうでしたか...ハク様から聞いております。どうぞこちらへ」


 そう言って、店の奥の方へと案内される

 店の奥は俺のように貴族と交渉する際に使われるのだろう



「それで今回は、シュン様の手駒となる奴隷を探していると聞きましたが、どのような奴隷をお考えでしょうか?」


「なるべく、どの様な場所にいても違和感がない物がいい。貴族にも平民にも見える様な者はいないか?」


「それはまた、難しいですね...奴隷でいて貴族らしくできる者など...まずいないでしょう」


「そうか...なら、俺があとで教え込むから大丈夫だ」

「お役に立てず申し訳ございません。

その他に要望等はございますでしょうか?」


「そうだな...奴隷の中に魔法が使える者はいるか?」


「もちろんおりますとも!当店では奴隷の品質の良さが売りでございます」


「ではその者達を見たい。可能か?」

「もちろんでございます。それでは御足労お願いできますでしょうか?」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なるほど、確かにハクさんが勧めるだけあって、奴隷の扱いも丁寧だ。

奴隷のいる場所は清潔に保たれていた


「さて、こちらが魔法を使う事ができる者達の住んでいる部屋でございます」


そう言って俺達は部屋の中へと入っていった


そこでは5〜6人ほどの女性が生活を送っていた


「お前達、こちら男爵のシュン様だ。自己紹介しなさい」


一番手前側にいた黒髪の少女が答える


「はい、奴隷番号18730番です。魔法は火を使えます」


「ちょっとまってくれ。彼女達の名前はないのか?」


「ええ、奴隷になる前の名は捨てさせております。購入される方の中には名を付けるのを楽しみにしているお客様もいらっしゃいまして」


「そうか...では使える魔法だけを言ってくれ」


続いて 白い髪の女性が答える


「はい、私は氷魔法が使えます」


次は三人姉妹なのだろう。銀色の髪をした

少女達が答える

「私は水が使えます 」

「私、闇...」

「わたし、光〜」


三人姉妹か...使えるかもしれないな


最後にもうひとりの白髪の少女が答える


「私、時空です 」

...時空?いま時空って言わなかったか


「おい、お前今、時空って言ったか?」


「は、はい...時空魔法の適性があります...」


奴隷商人にも尋ねる


「彼女の言ってることは本当か?」


「ええ、本当でございます。嘘ではございません」


そうか...これはすごい奇跡だ


「じゃあ銀色の三人姉妹とそこの白髪の少女を買おう」


「ありがとうございます。三人姉妹は合計で金貨10枚で如何でしょう」


金貨10枚...日本円で1千万か...


「それは適正な値段か?」

すると奴隷商人は震え始める

「も、もちろんでございます。貴族を相手に

法外な値段など申しません。」

どうやら俺が奴隷商人を疑ったように思われたらしい


「そうか、すまなかったな。その価格で構わない。それと白い髪の少女はいくらだ。」


「彼女は当店からシュン様へと献上させていただきたく存じます」


え?ウソだろ?無料なの?この店いいところだな...奴隷商店だけど...


「それはありがたい。今後とも良い関係を築いて行きたいな」


「ありがとうございます!!ぜひよろしくお願い致します!」


こうして奴隷商店を後にしたのだった

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