第19話 明かされる真実

ある日


ステレシタ聖王国の十字軍と呼ばれる軍が編成され、我がドラグニカ王国へと進軍を始めました


その数は500人、これでは普通ドラグニカ王国に勝てるはずがない


その為何か策があるのだと思い、グレーウルフを探索に行かせました


すると明らかに魔力がないはずの人が無理やり魔力を精製して禁呪を使用するのが確認されました


急いでグレーウルフを退却させようとするとなんとその者は『命等価交換』と呼ばれる

魔法を使ったのです


『命等価交換』は魔力のない者に使用すれば

確実に相手を殺すという能力です


ただしこの能力を使用すると術者または眷属の命も奪うという代償があります

その為術者も死ぬのだろうと思っていましたがその者は媒体を使用したのです


媒体とは魔法を介しての代償を引き受けさせる働きがあります


とても高価で容易く使用するものではありません。それをこのような突発的な出来事に使用したことによりこの十字軍には裏があると確信しました


その後調査を進めるとその者が首輪によって操られていること

そして操られている者が異界から来たということを知りました


そして戦いの日


魔女の力に対して魔力のない者で編成されている軍が太刀打ち出来るわけがありません。

十字軍は1時間も経たずに全員拘束されました


その後その者を王宮に連れて、操っている者の情報を探ろうとしました


するとその男は予想していた通り

『命等価交換』を使って魔道王を殺害しようとしました

しかし

それを防がれるとその者は禁呪を乱用して王を道連れにしようとしたのです


禁呪は使用者の魂を代償として発動する魔法であり、『邪典』と呼ばれる文章から引用して作られます。これは魂に多大なる損傷を与えます


しかし使用者は操られているだけの無力な者


当然威力はとても弱く、後には魂の砕け散る寸前のその者が倒れているだけでした


この時の魂の損傷で、操っていた者は消滅し、その者ももう少しで死ぬところでした


しかし幸運なことに、この時魔女の会議が開かれていました


それはつまり全ての魔女が王宮に集結しているということ

その中でただ1人、魂の崩壊を防ぐことが出来る魔女がいました


それが『魂魄』の魔女クレア・シュバルツ


彼女の能力は魂の力を肉体にて変換し

現実世界に干渉すること

この時大抵は冷気として放出されます


これにより彼女はその者の魂に介入して崩壊を食い止めようとしました


しかし彼女はまだ『継承』して日が浅く、力を使いこなせていませんでした

その結果、魂の崩壊は食い止められたが彼女は自分の限界を超えて能力を使用したため

能力の器が壊れ『魂魄』の能力が操作できなくなりました


その為、彼女は能力の暴走を食い止めることが出来ません


暴走する能力は術者の命を奪うのです


食い止める手段がない彼女はもう死を待つことしかできないでしょう


これがクレア・シュバルツ卿が今日倒れた理由であり命を落とすであろう理由なのです


この話の中の『その者』が誰なのかもうお分かりでしょう?




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