第18話 緊急事態

「クレア様!?」

俺はすぐにクレア様のそばに駆付ける


どうする...どうしたらいい!?

取り敢えず屋敷の中に連れていかなければ...


クレア様を運ぼうとクレア様の肩に触れる


「っ!冷たい!?」


なんだこれ!?冷たすぎだろ!

まるで氷に触っているようだ

魔法と何か関係があるのか?


ひとまず早く城屋敷の中に連れていかなければならない


クレア様を抱きかかえて急いで屋敷に入り込む


「誰か!誰か来てくれ!!」

「何事ですか!?っ!急いでこちらに!」


屋敷に入るとすぐにキャサリンさんに出会う


キャサリンさんの案内ですぐに暖炉のある部屋へと向かう


「こちらに下ろしてください!」

クレア様を暖炉の目の前でへと下ろす。


「急いでお湯を沸かすように伝えて下さい!」

「分かった!」


急いで 浴室へと走り出す


「すいません!急いで湯を沸かして下さい!」


ちょうど今掃除をしているのだろうメイドに

そう頼み込む


「はい、分かりました」

「お願いします!」

そう言ってもう一度暖炉のある部屋へと戻る


「伝えて来ました!」


部屋に入るとそこには キャサリンさんとは別に魔道士らしき ローブに身を包んだ男性がクレア様を診察していた...


「魔力の暴走のようですな。魔力に体が耐えきれず意図せず体外へと漏れ出ていたのでしょう」


「では、今はもう落ち着いていると考えてもよろしいのでしょうか?」


「ええ、しっかりと安静にしていればもう大丈夫ですよ」


「そうですか...ではひとまずお湯に入れ体を温めさせてもよろしいのでしょうか?」


「ええ、暴走はもう収まっているので構いませんよ」


良かった...もう大丈夫なのか...


「じゃあ俺はこれで...」

「シュン様、どうもありがとうございました」


俺はどうしても聞かなければならない事を尋ねる為に部屋をあとにする




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「ティーナ、いるか?」

「はい、どうされましたか?」


ティーナが書架の奥から本を抱えて出て来る。


「クレア様が倒れた」

「それは...大変ですね」


「なぁ、クレア様が倒れたことと俺は関係があるのか?」


「...どうしてそう思うんですか?」


「クレア様は、俺が時空魔法を使えるかを尋ねたときに倒れたんだ。それに、凄く動揺していた。」


「偶然、そのタイミングで倒れたのでしょう。それにクレア様はお優しい方、シュン様が時空魔法を使えないというのを伝えるのが心苦しかったのでしょう」


「俺とクレア様の魔力がもの凄く似ていたんだ」


「魔力は属性によって性質があります。同じ属性でしたら初見の人は同じように感じてしまうのでしょう」


「クレア様に魔力を通してもらったときに違和感がなかったんだ」


「それは...世界は広いですから、ほかの人でも自分とよく似た魔力の人がいても不思議ではありません」


「王宮でほかの魔女が言ってたんだ。

クレア様が俺の件での被害者だって」


「それは...」

ここで初めてティーナが言葉を濁した


「なぁ、これは俺の問題なんだ。

俺が知らなかったら、どうすることも出来ない。俺は俺のした事を背負わなければはならないと思うんだ」


「そうですか...では、どんなことだとしても此処から逃げ出さないと約束出来ますか?」


「ああ、約束する」


「ではお話しましょう。


クレア様は長くは生きられなくなりました。あなたをたすける為に」

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