第17話 魔術

あれから1月たった


剣術はついに木に向かって剣を打つ練習を始めた。

ただ木に打ち付けるだけと侮ってはいけない。作用反作用の法則より全力で打ち込めば打ち込むほどその衝撃が自分に返ってくるのである。これによって実際に打ち合った時に

全力で打ち込めるようになるらしい


文字の勉強についてはひと段落ついたと言えるだろう。今では簡単な文章なら読むことが出来る


そして今日、初めて魔術を教えてくれるそうだ。

クレア様によると魔法を使うのに充分な程度には馴染んでいるらしい


城の庭で待っているとクレア様が不思議な棒を持ってやってきた


「...待たせてごめんね...」

「いえ、お気になさらず」

教えて貰う立場なのだから、待っているのが常識である

「それより、その棒はなんですか?」

「...これは、『魔力検査機』って言うの...ちゃんと魔力を使えているか調べるんだよ...」


そんな物があるのか、流石異世界だな...


「じゃあ...まずはそこに座って?」


言われた通りに従う


「えっと...次に魔力を手に集中させて?」


魔力を移動させるのか?試しに動かそうとしてみるが上手く行かない...


「うーん...できないな...じゃあ魔力を流して見るね?」


そう言ってクレア様は俺の手を掴み集中し始める


とその時

俺の体に何かが走るのを感じた。


なるほどこれが魔力を動かす感覚なのか

だけど何故だろう?

流れている魔力が俺の物と同じような気がする


「...コツは掴めたかな?」

「はい、やってみます」


俺はさっきの感覚を思い出しながら手に意識を集中させる


すると手の周辺がわずかに青く光り始めた


「うん...出来たね...」

どうやらこれで成功したらしい


「じゃあ...次に魔力を外に出すように意識して?」


手に集まっている魔力を外に出すように意識する。すると周りの空気が冷たくなった。


今のが魔法か!


「やっぱり...属性は氷なんだ...」


「魔法にも属性があるんですか?」

「うん...魔法には火、水、地、氷、光、闇、時空、の7つがあるの...」

なるほどそうなのか。時空魔法ってすごそうだな...


「時空魔法ってなんですか?」

「うぅん...時空はあまり知られていないんだ。勇者の中には『マジックボックス』っていわれている能力を持つ人がいるらしいけど...」


大体想像がつくな...もしかして俺にも出来るんだろうか?


「俺でも時空魔法、訓練したら出来ますかね?」


「え?...う、うん...どうだろうね......」

何故だろう?クレア様がすごく動揺している...


「やっぱり、無理ですかね?」


クレア様はさらに狼狽え始める...

なんだ?無理ならただ否定すればいいはずなのに...


怪しいな


俺はクレア様にさらに畳み掛けようとした

その時、


カキン


俺の目の前に巨体な氷塊が現れた

そして



クレア様が倒れた

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