2章 シュバルツ領

第16話屋敷での1日

屋敷暮しとなって1週間ようやくここでの生活にも慣れてきた。


朝 少し早く起きて城の周りを散歩する


何でも、剣術を行うには体力がいるらしい・・・当たり前だけど


この世界にも流派という者があるらしく

俺に剣術を教えてくれている先生曰く

新月流が最強らしいなので俺は今新月流の剣術を習っている


「お、おはよう...シュン君...」


俺が毎朝早く起きるのには、もうひとつ理由がある

「おはようございます

今日も面白いことになってますね」


ほとんどの朝、クレア様は城の庭にいて猫と戯れているもとい襲われている

10匹以上の猫に飛びかかられている光景はいつ見ても圧巻である

...やっぱり魔女は猫に好かれるのだろうか


そんな朝の散歩を終えると次は朝食である

朝はみんな起きる時間が違うためそれぞれが厨房へ行き朝食を受け取る


「おはようございますハンさん」

「おう、いつも早いな。ちょっと待ってろ」


すると料理長のハンさんは素早い手つきで卵をフライパンに入れ調理をし始める


「そういやお館様は今日も庭か? 」

「ええ、猫に襲われていました」

「あの方はお優しいからな、猫でも分かるんだろ」


ハンさんは笑いながら、調理を進める


「ほれ、出来たぞ。前に言ってたエッグベネディクトっていうやつだ。どうだ似てるか?」

「完璧です。ありがとうございます」


この国には米を食べる習慣画がないらしい


その為パンを食べるのだかこれも硬くて不味い。そのため朝食の唯一の救いとして考えたのが卵焼きだ。

だが折角、料理人がいるのだからどうせならワンランク上をと思って頼んだのが『エッグベネディクト』である


これで朝食が少し改善された...

「なぁシュン、これ、ほかの人たちにも出してやっていいか?ほかの人にも食わせてやりたい」

「ええ、構いませんよ。これからもいろいろよろしくお願いしますね。」

まだまだ、食事問題は改善しなければならない...



朝食を終えた後は午前中いっぱい剣術の訓練である

訓練を教えてくれるのは去年騎士団を引退したラインハルトさんだ

新月流の使い手としてそっちの世界では有名らしい


「いいかシュン、新月流の本質は相手の動きを阻害することにある。常に相手の1手先を行動するように心がけろ!」

「はい師匠!」

「よし!では素振りを千回!」

なんでこんなに過酷なんだろう...


その後、昼休みを終えると

次は魔術の訓練である


魔術の訓練は何故かクレア様が直々に教えてくれるらしい

と言っても今のところ瞑想しかしていないんだか...

何でも魔力を馴染ませるのに時間がかかるらしい。自分の魔力なのに馴染ませなければならないのは異世界転生したからだろうか?


3時間ほど経つと次は文字の勉強だ

やはり言葉は理解出来ても文字がやめるわけでは無いらしい

教えてくれるのはメイドのティーナだ


彼女は此処のメイド兼俺のメイドを行うらしいので普段は意外と会うことが無い

そのため夕方の刻に書架で待ち合わせをしている


本はこの世界では貴重らしく 本1冊が白金貨10枚する物もあるらしい


そういえば最近やっとこの国の貨幣の価値について判明した


賎貨・・・1円

銅貨・・・100円

大銅貨・・・1000円

銀貨・・・1万円

金貨・・・100万円

白金貨・・・1億円


このようになっているらしい

食べ物や物の値段から推測しているため正確ではないが...


書架へ向かうと、もう既にティーナは書架におり準備をしていた。


文字の勉強は主に絵本を通じておこなっている貴族の子供が文字を覚える時に使うらしい

絵本は主に神話や英雄譚などが書かれている様だ


その後夕食を取り俺の一日は終わる


こうして1ヵ月が経過した頃事件は起きた

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