第八章

第八章

優は、テーブルを拭いて、教材を置き、お茶の用意をする。そうこうしているうちにインターフォンがなる。

優「どうぞ、開いてますよ。」

ガチャン、とドアを開ける音。このあけ方は、特徴的で、誰なのかすぐにわかった。

優「こんにちは、香織さん。」

香織「今日は、ほら、敦子、あいさつをしなさい。」

優「ああ、無理してしゃべらなくてもかまいません。じゃあ、レッスンに入りましょうか。」

香織「今日は何を作ったらいいのかしら?」

優「そうですね。彼女の意思に任せましょう。」

香織「でも、何もしゃべらないんじゃ、意味がないですよ。だっていつも、私が呼びかけてやっと作るものを決めてという感じでしょ。それでは、本当にこの子のためになっているのでしょうか?」

優「なっていなかったら、彼女、一緒には来ないと思います。」

香織「だって、先生が、連れて来いとおっしゃっているでしょ。何も言わないから、ただ連れてくるだけです。」

優「じゃあ、普段意思の疎通はどうするんです?紙に書くとかですか?」

香織「それもやらせましたが、全然ダメなんです。単に首を縦に振るか横に振るかしかしませんよ。」

優「それなら、そうやって、続けるしかないでしょう。彼女はそれが、精いっぱいだと思いますから。」

香織「これでは本当に学校へ戻れるかもわかりませんわ。」

優「いっそ、学校はあきらめたほうがいいと思いますよ。こうなってしまえば。」

香織「何を言ってるんです先生!そんな事したら、私のメンツがつぶれますよ。」

優「そんなこと気にしているから彼女も助からないのだと思いますよ。」

香織「偉い方は口をそろえてそうおっしゃる。専門の方に見せても何も効果が出ません。私は、どうしたらいいのかしら!」

優「じゃあですね。今日はこうしましょう。お母様が、彼女に横断バックを作ってあげてください。」

香織「なんですか、今日は私だけにやれというのですか?」

優「はい。そうしてください。なぜかというと、彼女はおそらくお母さんに捨てられると思っているからしゃべらないのだと思うんです。だから、お母さんの作った横断バックをもって学校に行けば、いつでもお母さんがそばにいてくれると思えるでしょう。」

香織「そんな、だって、私基礎縫いをやっと覚えたばかりなのに。」

優「いや、基礎縫いさえできれば、簡単なバックなら縫えます。お教えしますから、こちらへどうぞ。」

と、二人をテーブルに座らせる。

優「じゃあ、これをどうぞ。」

と、大きめの革を二人に差し出す。

優「じゃあ、これを半分に折ってください。」

香織「こ、こうですか?」

優「はい。その通り、そしたら、脇をかがり縫いで縫っていきます。かがり縫いの仕方は、お教えしたと思いますが。」

香織「どうして縫うのでしたっけ?」

優「ええ、こうです。」

香織「ああ、まつり縫いのことね。」

優「その通り。じゃあ、それで脇を両サイドを縫ってください。」

香織「はい。」

優「それができたら、次は持ち手を付けます。持ち手は、これを使います。外に縫い付けておしゃれにしてもいいし、中に縫い付けてもいいです。」

香織「じゃあ、簡単な外側に。」

優「わかりました。じゃあ、こういう風に縫い付けてみてください。くれぐれも方向を間違えないでくださいよ。」

香織「こ、こうでいいのかしら。」

優「はい。そんな感じです。これで横断バックの完成です。まあ、両脇を縫って持ち手を付けただけですけど、基礎的なことでは十分使えます。じゃあですね、それを、敦子ちゃんにあげてみてくれますか?」

声「ま、ま、、、。」

香織「あれ、今のは誰の声?」

優「誰って、僕らのほかに誰がいるというのですか?」

香織「え、もしかして、、、。」

敦子の口元が動く。

敦子「まま、、、。」

香織「敦子!」

優「ほら!」

香織「ほらって何を、」

優「恥ずかしいと思わないでくださいよ。」

香織「わかりました!」

と、敦子は、母親に抱き着いてくる。

香織「敦子!」

敦子「まま。」

優に促されて娘を抱きしめる母親。

香織「そういえば、、、。」

と、言い終えないうちに涙が出てくる。

香織「ごめんね、ごめん!」

優「敦子ちゃんは、この瞬間をずっと待っていたと思います。」

香織「そうですね。」

優「ただ、それを使ってくれるかはまた別の問題と思ったほうがいいと思います。まずは彼女が、お母さんの愛情を確認することはできましたが、彼女はまだ知らないことだらけですから。学校へ行くってのは、考えている以上に難しいものですよ。」

香織「敦子、本当にごめんね!ママ、これから、ちゃんと考えるね。」

優「僕は、横断バックの作り方は教えましたが、詳しい心理は専門家の手を借りないとわかりません。これは、非常に難しい問題だと思いますので、慎重にやらないといけないと思います。」

香織「わかりました。私、もう一回考えなおします。頑張っていいお母さんになります。」

優「ただ、考えすぎはいけないと思いますけどね。」

香織「はい。」

優「じゃあ、そのバック、もってかえってくださいね。」

香織「はい、先生、ありがとうございました。本当に。」

と、涙を拭く。

優「だから、泣いちゃだめですよ。」

香織「は、は、はい、すみません。だって、一年ぶりくらいにこの子が声を出してくれましたので。」

優「喜ぶのもいいですが、具体的にどう動くかを考えないと。」

香織「そうですね。はい、すみません。」

優「謝ってもだめですよ。これから、敦子ちゃんと一緒にやり直してくださいね。」

香織「ありがとうございます。これ、レッスン料です。」

と、封筒を手渡す。

優「はい、確かに。じゃあ、領収書をどうぞ。」

香織「あ、ありがとうございます!」

と、一礼して受け取る。

香織「じゃあ、失礼します。」

敦子が、小さく優に向かって手を振った。

優「またね、敦子ちゃん。」

香織「ありがとうございました、先生。これからもどうぞよろしくお願いします。」

と、一礼して、玄関から出ていく。敦子もそれに続く。


電車の中。

香織「いい、敦子、変に気を使ったり、飾る必要もないからね。ただ、面接官の先生の質問に答えを出せばそれでいいのよ。」

敦子は、黙ったまま頷く。


カウンセリング事務所。

その前でタクシーは止まる。中から香織と敦子が出てくる。敦子は、香織が制作したカバン離さずもっている。かなり高齢であるが、相談員が待機している。

相談員「こんにちは、お待ちしていました。」

香織「初めまして。電話した岡本です。」

相談員「岡本香織さんね。ああ、お子さんがいらしたんですか。」

香織「ええ。この子を見ていただきたくて。」

相談員「わかりました。じゃあ、お入りください。」

香織「はい。」

二人、事務所の中へ入る。

事務所の中

相談員に促され、机に座る二人。

相談員「えーと、岡本敦子さんね。登校拒否を始めたのはいつでしたか?」

香織「ええ、小学校に入学して、初の遠足の後です。それ以来一度も学校に行っておりません。そして、少しも口を利かなくなりまして。」

相談員「不登校になったときの症状を教えていただけますか?」

香織「ええ、遠足の翌日のことです。朝起こしたのはいいのですが、食べたものを全部吐いてしまって、本人は行くといい、投稿させましたが、授業で嘔吐を起こし、授業妨害になるからと言われて返されました。それ以来、学校に行かなくなりました。」

相談員「そうですか。学校の成績は?」

香織「ええ、最悪のレベルと言われました。まだ、一か月しか授業をしていないけれど、ここまで悪い子は初めてだ、とまで言われたことがあります。」

と、隣からすすり泣く声。

相談員「大丈夫だよ。ここにいるのは悪い人じゃないから、」

敦子「わああああああああーっ!」

金切り声で叫び、自分の額を机にぶつけようとする。

香織「やめなさい!」

相談員「大丈夫ですよ。ここはそんなひどいことを言う人はいないから。ちょっと、別室に行ってようか。」

他の職員がやってきて、敦子を抱え上げ、別室に移動する。

香織「申し訳ありません!ちゃんと言い聞かせますので、今回ばかりは。」

相談員「その必要はありませんよ。それよりも、彼女はすごい劣等感をもっており、非常に傷ついています。それはそうでしょう。たった六年しか生きていないのに、そうやって、全否定されてしまっては、行き場をなくしますよ。ここを使ってくれてかまいませんから、彼女を慰めて、受け入れてあげることがまず先決ですね。そしてから、これからの進路を考えたほうがいいでしょう。幸いうちは、一応学校法人ですから、事実上は小学校と同じということになります。」

香織「じゃあ、勉強の遅れも取り戻せられますか?」

相談員「お母さんまだそういうこと言うんですか。それだから、敦子さんがああなるのをわからないのですか?」

香織「それだからって、私は、私なりに、大人になって恥をかかないようにさせるつもりですよ。」

相談員「そうなんですけど、学校の勉強ははっきり言ってしまえば役に立たないものであり、それよりも大事なことを全く教えないのですよ。まあ、それにうまく順応できる子は多少期待しても応えてくれるけど、敦子ちゃんのような子は、まず学校へ行くのは無理とお考え下さい。」

香織「じゃあ、どうしたらいいんですか。私は、一生懸命やってきたつもりですよ!やっぱり、よい学校へ行かせたほうがためになると思ったから、受験させたわけですから。」

相談員「その結果がああなったことを考えてください。あの叫び声が、何よりの証拠です。

きっと受験の疲れもあり、目の前のことが目まぐるしく変ったのに、対応できないということもあるんです。だから、一度休んだほうがいいんですよ。ここの子たちもフルタイムで通ってくる生徒のほうが少ないくらいで、大体は、午前か午後に分けて通っています。教室に入っても、気力がなくてまるで覚えられない子もいます。そのような態度でありながら、好きなことには目を輝かせて、熱中する子もいますよ。まず、あなたが、彼女は、普通の学校へ行くことはできず、他のこと違う人生になるのだ、でも、それは罪ではなく、仕方ないことなどだと、考えなおすことから始めないと。」

香織「でも、この時代ですから、やっぱり良い学校に行かせたほうが安全だと思うんです。

よい学校のほうが、いじめも少ないだろうし、きちんと教育してくれるでしょうし、、、。」

相談員「おかあさん、彼女があと何年の人生を持っているかご存知ですか?」

香織「ご存知って、、、。」

相談員「いつかは、彼女が一人で生きるときが来るんです。それをよく考えて教育というものを選んだほうがいいですよ。本来教育というものはそのためにあるのです。それをつぶされたんじゃ、おそらく、彼女は一生嘆き続ける人生しか送れないでしょう。幼い時に傷つけられると、一生消えないと言っても過言ではないんです。お母さんだってそうやって、彼女を無理やり学校に行かせているのが、すでに大人になり切れていない証拠です。いいですか、

お子さんは、ほかのこと同じようには生きられません。それは、頭の中に叩き込んで、その彼女が、どうやって少しでも自信をもって生きられるようにするのかを考えてください。」

香織「わかりません、私は、ただ、当たり前のことをしているつもりでした。私も、学校でいじめられたことはありました。だからこそ、良い学校に行っていれば、そうはならなかっただろうなと後悔しました。」

相談員「まあ、そのころはそうだったで解決できるかもしれないけど、今は、そうするだけではだめです。こちらでも、彼女の無言症が直るように、プログラムを作ったりしますので、

お母さんも協力してくださいね。」

一方、遊戯室で、指導員と遊んでいる敦子。

指導員「敦子ちゃん、何して遊ぼうか。」

敦子は何も言わず、ボーっとして机に座っているだけである。

指導員「じゃあ、歌でも歌おうか。大きな栗の木の下で、じゃあ、いくよ、大きな栗のくりの木の下で、あなたと私、」

しかし、それを繰り返して歌おうということもしない。

指導員「ああ、難しい?」

敦子はうつむいて黙ってしまう。

指導員「じゃあ、やりたくないの?」

敦子は、ペンを執るようなしぐさをする。

指導員「ああ、文字は書けるのね。」

と、画板とペンを出してくる。敦子はそれを受け取って、下手な平仮名で何か書き始める。

指導員「なるほど、敦子ちゃんは、自分がいらない存在だと思っているのか。」

さらに書き続ける敦子。

指導員「だめよ、そんなこと書いちゃ、敦子ちゃんはまだやれることがたくさんあるじゃない。それに、これから、素敵なお友達と出会えるかもしれないでしょ?」

と、書かれた文書を見てみると、次のように書いてある。

指導員「だってあたしは、いらない子なんだ。だからママはいつも怒ってる。ははあ、なるほど。敦子ちゃん、ママがおこるようになったのは?いつからかな?」

再びペンが動く。

指導員「なるほど、学校へ行き始めてから、ママが鬼のような人になったのか。敦子ちゃんどうもありがとう。敦子ちゃんの素直な気持ちが聞けておばちゃんはうれしかったよ。でもね、敦子ちゃん、ママは鬼にはなってないから。いつまでもママは、敦子ちゃんのママだよ。」

激しく首を振る敦子。

指導員「そんなことないよ。きっと、やり方がわからないだけだよ。まあ、おばちゃんがいっても、ママが態度で示してくれなければ、敦子ちゃんにはわからないか。」

と、ドアをノックする音。

指導員「はいどうぞ。」

相談員がやってきて、指導員に何か話す。指導員は、先ほど敦子が書いた画板を相談員に渡す。

再び相談員がもどってくる。

相談員「こちらをご覧ください。敦子ちゃんの、心の叫びだと思います。声に出して読んでみてください。」

香織「いらない存在なの。ママは私がいると困るだけなの。私は、ママがやってみろと言ってくれる、勉強も何もできないから、、、って、敦子がこんなこと、でも、これは確かに敦子の字だわ。でも、小学生が、こんなセリフを書いたりするでしょうか?」

相談員「今は、諸学生でさえも自殺を図ることがあるんですよ。」

香織の表情が凍り付く。

相談員「どうですか、それが動かぬ証拠です。」

香織は、机に突っ伏して泣き出してしまう。

相談員「お母さん、しっかりしてくださいよ。彼女が何を訴えているのか分かったんですから、それをどう受け取るかを考えてください。もちろん、泣きたい気持ちも分かりますけど、もうお母さんなんですから!」

香織「私、どうしたらいいのかしら。」

相談員「まず、彼女を、これまでの苦しかった学校生活から解放させてあげてください。そして、彼女にはお友達が必要です。しかし、それを作る技術を、彼女は持ち合わせていない。

なぜなら遊びを作り出すことができないからです。」

香織「ええ、友人は、必要になれば得られるんじゃないかと思ってましたから。それよりも今は、良い学校に通って、遊びは後回しにしようと思いました。そのほうが、成長できるんじゃないかって、思ってたから。」

相談員「お母さん、それは大間違いですよ。本来はその逆でなくてはいけないのです。子供が本当に成長するためには、勉強ではだめなんですよ。考えてもみてください。机の上で、ただ教師の話を聞いて、ただ答えを丸暗記さえできていればなんでも通用する世界に、何が報われるとお思いですか?」

香織「私は、それ以外何も知らないんです。一般的に言えばどの子もそうです。」

相談員「ですが、すでに無言症になっているわけですから、それには対応できないと彼女ははっきり示しているのです。そうして、このように、自分のことをダメな人間だと思い込んでいる。このままだと、彼女はどんどん劣等感を強くしていき、ついには自殺も考えられますよ!」

香織「でも、どうしたら、」

相談員「私たちもお手伝いしますので、少しずつ、彼女を解放させてあげてください。」

香織「はい、、、。」

相談員「取り合えず、時間が来てしまったので、今日の面接はここまでにしますが、次回からは具体的に何をしたらいいのか考えてくださいね。じゃあ、次は来週来てください。」

香織「わかりました、、、。」

と、放心状態のような顔で、香織は立ち上がった。

指導員「さあ、敦子ちゃん、お家へかえろうね。」

敦子は黙って母親についていく。

電車の中。座席に座っている敦子と香織。

電車は、吉原駅で止まる。

と、そこへ、びっこを引いた少年と、その母親と思われる女性が乗ってくる。座席は混雑していて空いていないので、少年と母は立っている。電車はそのまま動き出す。

突然、敦子が立ち上がる。少年に近づいて、彼の肩をたたく。

敦子「あ、ああ、、、。」

少年の母親が彼女に気が付いて、

母親「座席を譲ってくれるの?」

敦子は、無言ではあるが、強く頷く。

母親「ありがとう。じゃあ、和樹、座らせてもらおうか。和樹もありがとうを言って。」

少年「どうもありがとう。」

敦子は無言でにっこり笑う。

母親「本当にどうもありがとうございます。座席を譲ってくれるなんて。」

香織「お母様も座ってください。」

母親「まあ、すみません。では、お言葉に甘えます。」

と、彼女も座席に座る。

母親「しつれいですけど、どうして、私たちに席を譲ってくれたんですか。」

香織「ええ、大変なお子さんを持っているのがわかる気がして。」

母親「まあ、よく気が付いてくれましたね。うちの子、マルファンなんです。子供なのにもうおじいさんにみえるでしょ。」

香織「うちは心のほうでしてね、無言症なんですよ。学校に入学したと思ったら、すぐに言葉が出なくなってしまいました。」

母親「そうですか。なんか不思議な出会いですね。この子たち、障害があって確かに迷惑だと思うこともありますが、こういう出会いも作ってくれますね。どちらに住んでいますか?」

香織「富士市、ですけど。」

母親「まあ、近いじゃないですか。私は富士川ですよ。この出会いも何かの縁ですから、アドレス、交換していきませんか?」

香織「いいんですか?」

母親「ええ。」

と、手帳を取り出し、一ページ破って、自身の名と息子の名、住所、メールアドレスを書き込んでいく。

香織「小島さんというのですか。」

母親「はい。この子は小島和樹。」

アナウンス「まもなく、富士に到着いたします、、、。」

和樹は、しわだらけの顔で敦子に微笑みかける。敦子も、それに全く偏見はないようで、軽く手を振る。

和樹「バイバイ!」

敦子は声に出すことはできないが、口元は「ばいばい」と動く。

母親「よかったら、うちにも来てくださいね。富士川駅からすぐのところですからね。」

香織「ありがとうございます。」

と、一礼して、敦子と一緒に電車を降りて行った。

香織「敦子は、学校っていうところでは、向かなかったかも知らないけど、そうやって弱い人に寄り添おうとするところはあるのかもね。ママ、知らなかった。ごめんね。」


優の部屋。

配達員「望月さん、郵便です。」

優「ありがとうございます。」

と、葉書を受け取る。

香織のナレーション「先日はありがとうございました。おかげさまで敦子のまた別の面が発見できました。敦子は、正常にはならないこともわかりました。だから、専門的な訓練も必要になるので、別の学校へ行かせます。私もそのために引っ越さなければならないので、レッスンは取りやめになりますが、先生に作り方を教えてもらった横断バックは大切に持っていますね。岡本香織。」

優は黙って葉書を机に置き、再び革を縫う仕事に戻っていく。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る