落ち葉

 秋の風は無添加で

 こともなげに僕に吹き付ける


 予感や微熱や正しさや

 他の季節には色々乗せてくるくせに


 そこには何にもなくって

 なのに一番ひどい


 秋の風は僕の弱いとこをなぞる


 初めて会うのに

 僕をぜんぶ分かっているみたいに


 傷にしみるそれが

 気のせいだと思ってみても

 忘れられない


 痛みなんて感じたくないのに

 傷は触れられることをかすかに望んでる



 規則正しく並ぶ

 木々は

 染め上げた葉を

 脱ぎ始めている


 巻き上げた

 落ち葉の匂いは

 あの頃と少しも変わらなかった

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