風とおと


初めて聞く

バラードを片耳に流して


雨の匂いを孕んだ風が

心の中通り抜けた


見ないようにしてた

空しさが

ひゅうひゅうと

音を立てて


見せないようにしてた

悲しみが

ぼこぼこ

湧き上がる


失くしたものが何かなんて

僕だって知らないよ


だけど

寂しげな風と流れる雨みたいな音が

僕の心と

共に鳴るから


ただ、いまは

訳のない悲しみと

そっと側にいよう


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