あの日の空
昔、僕らが見た美しい物語
物語のなかの子ども達は
何の疑いもなく
「永遠の友情」を誓い合い
ともに夢を叶えることを決意する
あの日
「手が届きそう」
そう言って
あなたは空に手を伸ばした
「僕だって」
あなたに負けじと言った
あの頃の僕は
あの空に手が届くと信じていた
そして
一緒に飛べると思っていた
物語のような僕達の日々
物語が終わっても
あの空は
何も変わらない
物語のときと同じように
無邪気に笑っている
その微笑みが
僕には眩しくて
眩しすぎて
目を逸らしたくなって
だけど望まずにはいられない
強すぎるほどの
その眩しさに
心奪われてしまったから
僕は手を伸ばす
僕は飛べない
届かない
物語を失って
背中の羽根も失ってしまったから
だけど僕は
全てを信じていた
物語の幼い僕よりも
弱く
脆く壊れそうな今の僕は
あの頃よりも
もっと
強く
どうしようもないくらい、あの青に焦がれている
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