名もなき詩

塵と埃


  栄華は塵となり

  繁栄は埃となり

  争いの前に、誰にも知られぬまま

  時の流れに紛れて消えていく


  空のなかに消えていく


  永久にも等しい時のなかで

  僕らを見下ろすあの空は

  小さな小さな僕達に

  何を思うのだろう


  悲しむのか

  嗤うのか

  それとも、気に留めることすらないのだろうか


  あの空は知っているのだろうか

  たった一人

  その人がいなくなってしまうだけで

  全てを失ってしまう人間がいることを


  こんな僕の

  小さな小さな孤独も虚無も

  塵にもなれない感情を


  この世界の人は

  誰も

  誰も

  知ることはない


  「あなた」も知ることはない


  「あなた」が隣を通り過ぎただけの

  ちっぽけな僕の

  ちっぽけな絶望なんて

  


  

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