第二章 ボカロで言えば"ワールド イズ マイン" 渡辺聖奈
第4話 突然ですが
突然ですが、問題ですっ!
今日、私、渡辺聖奈はとても嫌なことがありました。何でしょう?
えーヒント?仕方ないな〜 ヒントはね、帰り道にクズ達がいた事!
え、クズ達って?クズはクズだよ?
はーい時間切れ!ブッブー!
正解は、クズ達が私の悪口を言っていたことでーす!
ねぇ、聞いて?! ホントに酷いんだって!
***
今日、学校内が暑すぎて、クーラーを浴びたかったの。だから、私はわざわざ嫌いな英語担当の福屋に期末テスト勉強もかねて、クーラーがガンガン効いた学年室で教えてもらうことにしたの。
これで一石二鳥だねっ!て思ってたら、あのクソジジイ。
学年室には入れないし、教え方下手くそすぎて笑えるし、ホント遣えない。まだ数学の野口の方が遣えるんだけど?オッサンでもこんなに有能レベルが違うんだね〜
まぁ、元々学年室はテスト期間になったら使えないのはいいけど、キモイし、しゃべりながら唾飛ばしてくる奴に教わってもねぇ……って感じ。分かる?あーそうだよね、分かんないよねー。
まぁ、とにかく、福屋がウザかったんだよ。
そして、学年室に入れず汗でビショビショの状態で帰ってたら、キャハハハって笑い声が聞こえたの。一人じゃなくて、結構人数いたかな。
「聖奈ホントムカつく。何なの?お嬢様?」とか。
「ねぇねぇ、アイツさ、初音●クのワールドイズマインそのまんまじゃない?」
「それな!ギャハハハマジウケるー!」とか。
あ、ワールドイズマインっていうのは、ryo作曲のボカロの曲名。ニコ●コかヨウツベで調べてください。
「あーあんなヤツ部活辞めてくれて有難かったわ〜」
「ほんとそれ。あーこれでウチらの負担が減ったねー」とか。
ねぇ……ホント、何なのよこれ。
名指ししてたし、完全に私のことよね……?
酷すぎない?私何もしてないのに、勝手に言いやがって。だからクズどもはクズどもなんだよ。
『あー嫌だ、嫌だ、嫌だ』
『これだからクズ達は嫌なんだよ』
『ねぇ、そんな大声出して近所迷惑になるって気づいてないでしょ? 馬鹿なの? 』
『あー明日学校行きたくない』
『学校行きたくないのも全部あのクズ達のせいにするから』
はー、スッキリした。ここまでつぶやくとホントスッキリするわ。
実は、私の悪口を言っていたクズ達の中にある女の子がいました。さぁ、誰でしょう?
え、分かるよね?
はい、時間切れー。
正解は、二年B組の仁科千鶴ちゃん。
あの子も紛れて言ってたわ。同罪よ。クズ確定。
私を吹部に入れておいて、悪口をよく言うわ。
しかもね、コイツ、絶対裏の顔があるの!
千鶴と何人か固まって、私はその後ろで惨めに歩いてたの。
悪口を言われて泣きそうになったとき、千鶴が後ろを振り返って私を見たの。あれは、絶対見た。確実。
そして、私を見たあと、鼻で笑って何か言ったの。いや、嘲笑しながら何か言った。
『○○○○○』多分五文字。恐らくアイロニーだと予想する。
何を言ってるか分からなかったけど、そこだけコマ送りしたみたいにゆっくり時が流れたように見えた。
その後は、顔を元に戻して、また悪口を言ってたわ。
アイツは性格悪すぎ。
あー昨年の方が楽しかったのに。
今年はつまんない。
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